東アジアに戦火再び

平和とは戦間期の別名に過ぎない。常に備えよ日本!

TPPの持つ欺瞞を暴く(その3)

【TPPに関する動画ご紹介】

 

 『アメリカ市民団体がTPPについて報道した驚異の内容とは』

 http://www.youtube.com/watch?v=HLVKAalmD48

 

密室で協議されているTPP草案が、米国の団体市民団体『パブリック・シチズン』によってリークされました。

 

TPPの暗部が見事に暴かれているこの動画を日本の全ての皆様に見て頂きたいですし、可能な限り友人知人に拡散して下さいますよう御願いいたします。(^o^)

 

 

 

市民団体『パブリック・シチズン』のロリ・ウォラック氏は、インタビューの中で次のように語りました。

 

『これは「1%」が私たちの生存権を奪うツールです。交渉は極秘で行われました。暴露されるまで2年半も水面下で交渉していた。600人の企業顧問には草案へのアクセス権を与えながら、上院貿易委員会のワイデン委員長はカヤの外です。TPPを監督する立場なのに草案にアクセスできない。ワイデン氏は情報委員ですよ。核関連の機密も知る立場なのに、貿易協定という名の「企業の権利章典」は見られない。 実に見事な「トロイの木馬」です。』

 

米国の上院貿易委員会のワイデン委員長でさえTPP草案を見られない…。

これは驚愕の事実ですが、だとするなら日本側も例外でなく、“ガチガチの経済至上主義信奉者”である経団連米倉弘昌会長は草案へのアクセス権を持つが、安倍首相を始めとする日本政府締約交渉担当者はTPPの実態と真実とを何も知らされていないし、知る手段もない…。 

 

ということがあり得るという事でしょう。

日本政府締約交渉担当者はどのような情報を元に参加の是非を検討しているのかを考えますと暗澹たる気持ちになりますが、と同時にTPP締約に対する民意としての反対表明を強く打ち出すために、私たち国民による草の根反対運動が極めて重要な意味を持つとの思いを強くしました。

 

 

 

 以下は、市民団体『パブリック・シチズン』のロリ・ウォラック氏が語ったコメントの抜粋ですが、TPPリスクが極めて明快に語られていますからご覧下さい。

 

「表向きは「貿易協定」ですが実質は企業による世界統治です。国内の法も規制も手続きもTPPに合わせなければなりません。貿易関連は2章のみ。他は皆企業に多大な特権を与え各国政府の権限を奪うものなのです。」

 

 「リーク草案が示唆するのは、司法の二重構造です。企業は別立ての司法制度を持ち、インチキな国際法廷に政府を引きずり出し、そして政府に無制限の賠償を命じるのです。」

 

 「TPPは強制力のある世界統治体制に発展する恐れがあります。世界的なオキュパイ運動に対する企業側の反撃です。さらに交渉の行方によっては既存の国内法が改変され進歩的な良法が無くなるばかりか、新法の制定さえもできなくなる。」

 

「医薬品や種子の独占権が強化され、医薬品価格のつり上げのため後発医薬品を阻止する案まである。」

 

 「TPPは地方財政にまで干渉します。TPPは地域産業の優先を禁じます。地産地消や国産品愛好は許されないのです。環境や人権に配慮する商品も提訴されかねません。」

 

そして最後に、

 

「TPPは企業に凄まじい権力を与えます。どの国の人もこんなものは御免です。 密談だから過激になった。TPPは「1%」を喜ばせる協定なのです。「1%」の夢なのです。ありったけの金とロビイング力をつぎ込んで、未来永劫に力をふるうのです。」

 

安倍首相の『アジアの民主主義セキュリティダイアモンド』構想

プラハに本拠を置く国際NPO団体「プロジェクトシンジケート」のウェブサイトに、12月27日付けで安倍晋三首相の英語論文が掲載されました。

東シナ海波高し」日本の思惑、そして米中やアジアの思惑が複雑に絡み合いながら、アジアは地政学的に大きな転換期を迎えようとしています。
そうした激動の時にあって、日本国首相による海外に向けた重要な見解発表にも関わらず、日本の反日メディアは沈黙を守り一切報道していないので、この場をお借りしまして掲載させて頂きました。
右側の人、左側の人それぞれにご意見はあるでしょうが、広く拡散して頂ければ嬉しいです。(^o^)

※安部首相の英訳論文は、

『剣kenn諤々』

http://kennkenngakugaku.blogspot.jp/2013/01/blog-post_10.html?spref=tw&m=1

から転載させて頂きました。有り難うございました。


英文サイトはこちらです。
『Asia’s Democratic Security Diamond』

http://www.project-syndicate.org/commentary/a-strategic-alliance-for-japan-and-india-by-shinzo-abe

 

安倍首相が発表した論文は次の通りです。日本の今後の外交基軸方針を示しており、ぜひ皆様全文をお読み下さいますよう御願いいたします。

 

 

『アジアの民主主義セキュリティダイアモンド』

 2007年の夏、日本の首相としてインド国会のセントラルホールで演説した際、私は「二つの海の交わり」 ─1655年にムガル帝国の皇子ダーラー・シコーが著わした本の題名から引用したフレーズ─ について話し、居並ぶ議員の賛同と拍手喝采を得た。あれから5年を経て、私は自分の発言が正しかったことをますます強く確信するようになった。

 太平洋における平和、安定、航海の自由は、インド洋における平和、安定、航海の自由と切り離すことは出来ない。発展の影響は両者をかつてなく結びつけた。アジアにおける最も古い海洋民主国家たる日本は、両地域の共通利益を維持する上でより大きな役割を果たすべきである。

 にもかかわらず、ますます、南シナ海は「北京の湖」となっていくかのように見える。アナリストたちが、オホーツク海がソ連の内海となったと同じく南シナ海も中国の内海となるだろうと言うように。南シナ海は、核弾頭搭載ミサイルを発射可能な中国海軍の原潜が基地とするに十分な深さがあり、間もなく中国海軍の新型空母がよく見かけられるようになるだろう。中国の隣国を恐れさせるに十分である。

 これこそ中国政府が東シナ海尖閣諸島周辺で毎日繰り返す演習に、日本が屈してはならない理由である。軽武装の法執行艦ばかりか、中国海軍の艦艇も日本の領海および接続水域に進入してきた。だが、このような“穏やかな”接触に騙されるものはいない。これらの船のプレゼンスを日常的に示すことで、中国は尖閣周辺の海に対する領有権を既成事実化しようとしているのだ。

 もし日本が屈すれば、南シナ海はさらに要塞化されるであろう。日本や韓国のような貿易国家にとって必要不可欠な航行の自由は深刻な妨害を受けるであろう。両シナ海は国際海域であるにもかかわらず日米両国の海軍力がこの地域に入ることは難しくなる。

 このような事態が生じることを懸念し、太平洋とインド洋をまたぐ航行の自由の守護者として、日印両政府が共により大きな責任を負う必要を、私はインドで述べたのであった。私は中国の海軍力と領域拡大が2007年と同様のペースで進むであろうと予測したが、それは間違いであったことも告白しなければならない。

 東シナ海および南シナ海で継続中の紛争は、国家の戦略的地平を拡大することを以て日本外交の戦略的優先課題としなければならないことを意味する。日本は成熟した海洋民主国家であり、その親密なパートナーもこの事実を反映すべきである。私が描く戦略は、オーストラリア、インド、日本、米国ハワイによって、インド洋地域から西太平洋に広がる海洋権益を保護するダイアモンドを形成することにある。

 対抗勢力の民主党は、私が2007年に敷いた方針を継続した点で評価に値する。つまり、彼らはオーストラリアやインドとの絆を強化する種を蒔いたのであった。

 (世界貿易量の40%が通過する)マラッカ海峡の西端にアンダマン・ニコバル諸島を擁し、東アジアでも多くの人口を抱えるインドはより重点を置くに値する。日本はインドとの定期的な二国間軍事対話に従事しており、アメリカを含めた公式な三者協議にも着手した。製造業に必要不可欠なレアアースの供給を中国が外交的な武器として使うことを選んで以後、インド政府は日本との間にレアアース供給の合意を結ぶ上で精通した手腕を示した。

 私はアジアのセキュリティを強化するため、イギリスやフランスにもまた舞台にカムバックするよう招待したい。海洋民主国家たる日本の世界における役割は、英仏の新たなプレゼンスとともにあることが賢明である。英国は今でもマレーシア、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドとの五カ国防衛取極めに価値を見いだしている。私は日本をこのグループに参加させ、毎年そのメンバーと会談し、小規模な軍事演習にも加わらせたい。タヒチのフランス太平洋海軍は極めて少ない予算で動いているが、いずれ重要性を大いに増してくるであろう。

 とはいえ、日本にとって米国との同盟再構築以上に重要なことはない。米国のアジア太平洋地域における戦略的再編期にあっても、日本が米国を必要とするのと同じぐらいに、米国もまた日本を必要としているのである。2011年に発生した日本の地震、津波、原子力災害後、ただちに行なわれた米軍の類例を見ないほど巨大な平時の人道支援作戦は、60年かけて成長した日米同盟が本物であることの力強い証拠である。

 私は、個人的には、日本と最大の隣国たる中国の関係が多くの日本国民の幸福にとって必要不可欠だと認めている。しかし、日中関係を向上させるなら、日本はまず太平洋の反対側に停泊しなければならない。というのは、要するに、日本外交は民主主義、法の支配、人権尊重に根ざしていなければならないからである。これらの普遍的な価値は戦後の日本外交を導いてきた。2013年も、その後も、アジア太平洋地域における将来の繁栄もまた、それらの価値の上にあるべきだと私は確信している。

TPPの持つ欺瞞を暴く (その2)

TPPの性質を象徴的に表しているのが、“交渉経過は一切明らかにしない” というその秘密主義にある。


交渉内容をなぜ秘密にするのか。なぜ秘密にしなければならないのか…。
その答えは至極簡単だ。交渉経過を明かせば、各国国民から拒絶的な反対運動が炎のように燃え上がるからだ!!!。

 

日本に大厄災をもたらすであろう悪魔のようなTPP、アンゴルモアの大王よりも恐ろしいTPP…。(^^;)
残念だが米国が主導するTPPであるが故に、日本政府は結果として参加表明するに至ってしまうでしょう。

 

日本国の外交と安全保障を米国に依存しているのが悲しいかな現実なのです。正に属国に等しい日本が米国の命令に抗弁できるはずもない。一気に燃えさかった尖閣騒動も米国の策略に違いありません。

 

せめてもの願いが、日中韓FTA交渉をTPPよりも足早に進めて (もちろん日中韓FTAなどまっぴらごめんだが)、 米国を牽制しながらTPP交渉を少しでも有利に進めるという、条件闘争を繰り広げるぐらいの国家戦略を日本政府に期待したいところですが無理でしょうね…。

 

なぜなら日本国内を見ればTPP早期批准を画策する三つの組織が存在します。
それは害務省(アッ間違えた)外務省と、軽産省(アッ間違えた)経産省と、怪団連(アッ間違えた)経団連の三つの売国組織が存在するからなのだ。この三つの官僚組織は完全に米国により籠絡されてしまっており、結果として交渉の前途を悲観せざるを得ない。

 

TPPを受け入れた場合、今を生きる私たちは、後生の日本国民から「欲に目がくらみ、日本の国家基盤を台無しにした」と蔑まれた目で見られることでしょう。

それはともかく、私たちはTPP断固阻止に向けて日本全国の皆様と連携し、情報を共有しながら国会議員に反対票を投じてもらうべく働きかけねばなりません。政府が参加表明をしても、最終的には議会によるTPP承認と批准がなければ締約には至らないからです。

 

全国におられるTPP反対論者の皆様、これからも声を大にしてTPP締約阻止に向け反対運動を推進してまいりましょう。(^^)/

 

 

 


ここでTPPに関するすごく解りやすい動画などをご紹介しますよ。(^^)/

 

動画【サルでもわかるTPPがヤバい7つの理由】
http://youtu.be/CI8l71dSy_A

※TPPの問題点を5分程度の動画にまとめています。必見ですよ。(^o^)


この動画作者さんは下掲サイトを元にして動画を作成されたといいます。その元となったサイトも素晴らしいです。画像や図表が多用され、TPPの問題点をとても解りやすく解説していますよ。ぜひご覧下さいませ。(^o^)

【サルでもわかるTPP】
http://luna-organic.org/tpp/tpp-1-1.html

 

 

動画【『TPPがなぜダメなのか』その③ 米 P/CTZN ロリ・ワラック氏(貿易担当)】
http://youtu.be/eiLuxx-ga8Y

※TPPは貿易協定ではない。TPPの本質を知られたくないために貿易協定だと偽っているというのです。確かに26ある交渉分野のうち貿易分野はわずか2つだけです。

現実に本質を隠すために貿易協定で交渉がもめていると偽装している疑いがありますよね。この動画も必見ですよ。ぜひご覧下さいませ。(^o^)

 

動画【三橋貴明 TPPの恐るべき真実 1/3】
http://youtu.be/Vp8Cbw_siGo

※私も三橋貴明氏のファンの一人ですが、この動画でずばりTPPの問題点をあぶり出してくれていますよ。三部作となっていますが、ぜひご覧下さいませ。(^o^)

 

【TPP参加に向けての国民無視の暴走を止める】
http://notpp.jp/2012_07_11_Prof_Nobuhiro_Suzuki.html

※TPP参加で壊滅的なダメージを受けると思われる農業分野からの視点で、TPPの問題点を鋭く指摘している農学博士鈴木宣弘氏の論文です。
私はこの論文の「おわりに」の文章を読みながら、氏の日本国を愛するが故の熱情的提言に目頭が熱くなりました。長文ではありますが、ぜひ一度はお読みになって下さいませ。サイトがリキッドレイアウトになっていますから、プリントアウトしたほうが読みやすいと思います。私は三回読みましたよ。(^o^)

TPPの持つ欺瞞を暴く

ウィキリークスが、TPPに関わるアメリカの外交公文を暴露しましたのでご紹介します。(^o^)

 

「TPPが将来のアジア太平洋の通商統合に向けた基盤である。もし、当初のTPP交渉8カ国でゴールド・スタンダード(絶対標準)に合意できれば、日本、韓国その他の国を押しつぶすことができる。それが長期的な目標だ」

(米国大使館公電から)

 

On multilateral issues, Sinclair emphasized that New Zealand sees the TPP as a platform for future trade integration in the Asia Pacific.

If the eight initial members can reach the "gold standard" on the TPP, it will "put the squeeze" on Japan, Korea and others, which is when the "real payoff" will come in the long term.

He also stated that another challenge in negotiating is that the current economic and commercial situation has put a great deal of pressure on domestic agendas. Negotiators must therefore be very cognizant of the impact on jobs, wages, and other such factors. When asked what New Zealand’s position is on including new members, Sinclair put forth that "smaller is better" for the current deal. However, he emphasized, that what is more important is U.S. Congressional approval and if "critical mass" can be achieved with the initial eight. New Zealand will take a "constructive view" if the group needs to "bulk up" and include Malaysia, for example.

http://wikileaks.org/cable/2010/02/10WELLINGTON65.html

 

TPPを受け入れれば、枯れ葉剤製造メーカーであるモンサント社の遺伝子組換食品が大量移入し、モンサント社の遺伝子組換種子が日本の種苗業界を席巻し、そして食品添加物も日本は800種類しか認めていませんが、米国は3000種類が認められており、また農薬の残留基準も米国は日本よりも60~80倍も緩いので、現在よりも高確率で危険な食品が出回ることとなり、また日本の国民皆保険が米国医療企業により参入障壁だとして破壊され、ISD条項により米国企業が日本政府を直接訴える体制になるために国家の司法権が無力化されるなど、農業分野以外にも日本の国民生活全般にわたり大きな悪影響をもたらすでしょう。

 

なにより「日本、韓国その他の国を押しつぶすことができる。それが長期的な目標だ」と語っているように、日本の経済のみならず、社会基盤全般の破壊や日韓の国力を削ぐ事を最終目標にしているというのですから、環太平洋連携協定などではなく、米国による「環太平洋強奪協定」であり、「21世紀版植民地化政策」であると言えるでしょう。(^^;)

 

もちろん環境保全など治山治水に多大な貢献をしている日本の美しい田舎の田園風景も維持できなくなり、耕作放棄された原野となるなど荒涼とした風景に変わっていくでしょうし、結果として食料のほとんどを輸入に頼らなければならない事態に追い込まれる事となり、これは食料安全保障上極めて憂慮される事態になると言えます。

 

私たちが口にする食料は、国防とエネルギーと並び国家存立に欠かせない三本柱の一つでもあります。その大切な食料を他国に委ねるという事は、食料供給国(米国)に頭の上がらない属国の道を歩むに等しいと言えるでしょう。

 

 

TPPのおぞましい実態を知って頂くために、あと二つの記事をご紹介します。

一つは、ニュージーランドは当初TPPを推進した加盟国でしたが、後から来た米国にTPPが乗っ取られ無茶苦茶にされたと語るジェーン・ケルシー教授の仙台での後援会の要旨をご紹介します。

 

TPPの危険性を説く、「ジェーン・ケルシー教授 仙台講演会 議事録」その1『怒り心頭』

http://change-wecan.iza.ne.jp/blog/entry/2492034/

から転載させて頂きます。

 

作者taroさんがジェーン・ケルシー教授講演録を私たちに理解しやすいように要旨として簡潔に記述して下さっていますのでまずご紹介します。特に注目すべきは最初と最後のほうで出てくる「TPPの協定内容は全てアメリカの議会によって承認されなければならない」「TPPの交渉内容は署名されるまでは非公開である」「TPP加盟国の義務は他の加盟国にも強制される」「投資家にはその国への政策的助言に参加する権利が与えられる」「規則や義務の変更はアメリカ議会の承認が必要となるため、極めて困難である」という五点です。

事前交渉を含めたTPP交渉の全てが秘密裏に進められ、国会で批准する正にその瞬間にTPP条文が開示されるという事なのでしょう。21世紀の民主主義社会において国民無視のそんな秘密主義のプロセスが許されて良いのでしょうか。

「規則や義務の変更はアメリカ議会の承認が必要となるため、極めて困難である」

なんだこれは~。国際条約の改変をするに米国議会の承認を得なければならないですって~。日本の国家主権が米国議会の下に位置するとでも言うのか~。(笑)

 

それではtaroさんが作成して下さった要旨をご紹介します。この要旨をお読みになれば、TPPがいかに危険な毒素を含んでいるかご理解いただけると思います。

 

《転載開始》

<要旨>

  • TPPの協定内容は全てアメリカの議会によって承認されなければならない
  • 交渉参加国はASEANと自由貿易協定を締結している。つまり障壁があるのはアメリカ
  • マイクロソフトはTPPによって知的財産権保護のためDLファイルの有料化を提言している。グーグルはそれに反対している
  • 外資投資による土地・資源などの資産購入について制約を緩和する内容も盛り込まれている
  • 漁業権などを外資に購入された場合、漁業で成り立っているような地方の地域への悪影響は計り知れない
  • 日本の国営貿易会社(主に農産物)に対し、すでにアメリカは反競争主義だとクレームをつけている
  • 公共工事において外国企業の入札参加の権利を要求している。日本では復興事業に多大な影響が考えられる
  • アメリカは遺伝子組換作物について特に強い要求を提案している
  • TPPの基本的考えは発行後10年以内に例外なく関税をゼロにするものであるが、アメリカは農業について譲歩していない
  • ニュージーランドの乳業、オーストラリアの砂糖についてアメリカは一切譲歩しないと明言している
  • パブリックコメントや意見募集において、外国企業も発言可能になるように求めている
  • TPPの交渉内容は署名されるまでは非公開である
  • TPP加盟国の義務は他の加盟国にも強制される
  • 投資家にはその国への政策的助言に参加する権利が与えられる
  • 規則や義務の変更はアメリカ議会の承認が必要となるため、極めて困難である

《転載終了》

 

 

話は飛びますが、米韓FTAにおける韓国国会が批准するに際しては議会場で催涙弾まで飛び交っていました。FTAもTPPもISD条項を含むという点では同じですから、韓国国会議員の懸念はよく理解できるところです。

韓国政府は当初から国内経済が破壊されるとして韓米FTAに消極的でした。

しかしながら2010年3月26日韓国と北朝鮮との海上境界線すぐ南にあるペンニョン島付近で韓国の大型哨戒艦(コルベット)の「天安」が爆発・沈没した事件と、11月23日に大延坪島近海で起きた朝鮮人民軍による砲撃事件とが立て続けに発生しました。

この二つの事件は偶発的なものとはとても思えませんが、この二つの事件の後、韓米FTAに消極的だった韓国政府は締約に向け一直線に突っ走りました。

国会での批准後、韓国のコメンテーターが「これで韓国に主権は無くなった…。」と語っていたのが印象的でした。

 

日本でもTPPが話題になり始めてから、同時進行的に日中による尖閣諸島領有問題が激しく蒸し返されました。これは4月16日、石原慎太郎東京都知事が訪米先のヘリテージ財団の大ホールで突如として「尖閣購入」を宣言した事に端を発したものですが、石原前東京都知事が日本国内でなく米国で当該発言をしたのは偶然だったのでしょうか、それとも…。

尖閣の一連の動きは「尖閣を守ってもらいたいならTPPに参加せよ」という恫喝にしか思えません。米中は対立しているように見えて、裏で連携している部分(親米国の派閥)がかなりありますからね。「マッチポンプ」であった冷戦時代の米ソを振り返ればご理解いただけると思います。

(※ぜひ「ヘリテージ財団」で検索してみて下さい。石原前東京都知事の背後で戦争屋の米国が糸を引いているという事です。その石原氏が米国の国家戦略である「新自由主義」を強く信奉する竹中平蔵氏を政策立案者とする維新の会橋本氏とタッグを組んだと言うことは…。

日本が中共と米国の代理戦争をさせられないように警戒しましょうね。確かに中共と朝鮮半島は度し難い国々ですが、冷静さを喪失した両国への激しい誹謗中傷は、近い将来必ず勃発するであろう米国による対中共戦に日本を参戦させようとする仕掛け罠に嵌まるのを後押しするに等しいと思えます。

また米国はイギリスがかつて植民地政策で多用した “分断政策” をTPPを用いてアジアで行おうとしています。すなわちTPPは米国によるアジア分断戦略の一環なのです。戦前のブロック経済圏と全く同じ発想によるものであり、ターゲットが日本から中共に変わっただけであると言えます。)

 

 

話が少し脇道にそれてしまいましたが(^^;)、引き続き作者taroさんが作成した、ジェーン・ケルシー教授の講演録を転載させていただきます。

全文転載させていただきます。おそらく作者taroさんも、日本を破滅に導こうとするこの悪辣なTPPの罠を知っていただくべく全国的に拡散してほしいとの願いを持っていると思われますので、全文転載でもご了解していただけるものと思います。

それではジェーン・ケルシー教授の私たちへの警告をお読みになって下さいませ。

かなりの長文ですが私たちの未来が掛かっているのです。児孫に豊かな国土を残すためにも、TPPに秘められた深刻な問題点を把握して下さいますよう御願いいたします。

 

《転載開始》

2011年7月12日
ジェーン・ケルシー教授 仙台講演会 議事録(未定稿)
【講演】
皆様こんにちは。
本日はTPPを考える国民会議・仙台に参加できることを大変嬉しく思っています。
主催いただきました仙台の方々に御礼を申し上げたいと思います。また、ご参加いただきました非常に多くの皆様に御礼を申し上げます。

ニュージーランドでは、通常ご挨拶として、生かせていただいている土地、並びに先祖の皆様、将来世代の皆様に敬意を表してイベントを始めます。とりわけ現在の世代におきましては、重要な意味を持つ挨拶ではないかと思います。

ニュージーランドのクライストチャーチにおきましても大震災がおきていますので、皆様方にお見舞い申し上げるとともに、ともに復興について考えさせていただく良い機会ではないかと思います。
本日は3つのトピックについて話をさせていただきたいと思っております。まず1点目はTPP交渉の背景についてです。2点目がTPP交渉に参加している国々においての主な問題点。そして3点目として日本への影響についてご説明したいと思います。

時間があれば具体的な事例についてご紹介申し上げたいと思っております。また、皆様方からのご質問についてもできる限りお答えしたいと思っています。

まず、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)とは何かということから始めたいと思います。
この交渉に関わっている当事者たちは、通常の自由貿易協定とは一線を画しているということを強調しています。21世紀型の協定であることが強調されています。

21世紀においては多くの課題があります。その中身については明らかでない課題も多くあります。21世紀の課題に応える一つとして、TPPというアプローチがあるのではないかと思います。

交渉官達によりますと、今まであった自由貿易協定や包括的経済連携などと比べると、国境の中に踏み込む、従来の枠組みを超えたものになるということが強調されています。国境の枠組みを超えるものであるという表現の意味ですが、過去の貿易協定などでカバーされていない政策・規制に関して、政府が決定できる選択肢を狭めるものになります。この話の中でTPPが、公衆衛生制度、そしてまた日本郵政、日本の食料安全保障などに対する影響を説明したいと思います。

現在、TPPを交渉しているのは9カ国となっています。オーストラリア、ブルネイ、チリ、マレーシア、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、アメリカ、ベトナムの9カ国です。アジア太平洋経済協力機構(APEC)の加盟国です。

9カ国が現在交渉に参加しているということを申し上げましたけど、ご覧のとおり1カ国だけが他の8カ国に対して突出しているということがいえるかと思います。アメリカという国はこの9カ国の中で最大の経済大国であるのみならず、もっとも強い政治的影響力を持っています。

それはどうしてかと申しますと、TPPの協定の中身は全てアメリカの議会によって承認されなければなりません。国民の利益に反するようなもの、あるいは国民の利益に資することができないものについては、アメリカの議会では決して承認されることがないからです。このポイントは非常に重要でありまして、後でまた触れたいと思います。

日本並びにニュージーランドが、このTPPの交渉に関わる際には、今までの経緯を理解する必要性があります。

まず最初に申し上げたいのは、既存のTPP協定というのは存在していません。これは新しい特徴を多く含む、新しい協定ということになります。しかしながら、アメリカが既にその他のTPP交渉国と交渉し、取りつけた既存のFTAに大きく影響を受けることになります。この構想は、2000年に出てきたものであります。提唱しましたのは、現ニュージーランド貿易大臣です。WTOなどにおいて、十分に自由化の動きが浸透していないということをかなり提唱されました。WTOの交渉が1999年にシアトルにおいて失敗したことを受けまして、多国間での協議には限界があるという教訓が生まれました。そこで、協定を結び、より大きな枠組みにしていくということに方向転換がなされたのです。

元々ニュージーランドとシンガポールの間で締結された協定がベースとなりまして、それがP4と呼ばれる環太平洋戦略的経済連携協定が生まれました。参加した国は、チリ、シンガポール、ニュージーランドとブルネイです。しかし、この協定は完全なものではありませんでした。投資・金融サービスに関する規定の章がなかったからです。この分野の協議は数年後に行われることになりました。

その当時のアメリカのブッシュ大統領は、当初は投資並びに金融サービスに関して、交渉に参加したいという表明をしました。その後、協定全体に関しての参加表明に変更しました。そして、その後オーストラリア、ペルー、ベトナムも交渉に参加しました。ですから、これらの国々はP4に参加するという流れとなってますけど、実際には新たな協定を協議するということになりました。

オバマ政権が誕生し、その際、TPP交渉に参加するのかどうかということを検討することになりました。1年間の考慮期間を経て、その間中断はしまたけど、アメリカも参加することになりました。その後7回にわたって交渉・会合が行われました。そしてマレーシアも参加することになりました。

では、次に目的は何かということに進みたいと思います。
それは、今までの従来型の貿易協定とは違う内容となっています。それは、以下の二つの目的があるからです。といいますのも、参加する交渉国というのは、既に貿易体制が打ち出されていまして、国境での関税も概ね撤廃されており、低いレベルで推移していたからです。

そして参加国の間で様々なFTAが既に存在していました。例えばアメリカは、ペルー、オーストラリア、チリ、シンガポールと既にFTAを締結していました。そしてオーストラリアとニュージーランドはASEANと自由貿易協定を締結しています。したがって、このグループの中ではTPPを通して撤廃しなければならない貿易障壁というのはほとんど無かったのです。残っている障壁というのは、ほとんどアメリカ側にあるものです。しかも農業という非常に不利な分野においてのみ残っていたということです。このような、アメリカ側の保護措置を撤廃させるような内容については、アメリカの議会の承認を取り付けることが非常に難しいと思われました。

したがって、TPPにおいて従来型の自由貿易協定のような取り組みであれば、商業的な見返りというのは大きく期待できないという状況にあります。ですから商業的な意味合いよりも、投資協定としての意味合いの方が非常に大きいということが特徴として挙げられます。と言いますのも、TPPの加盟国に投資をしている外国の企業・投資家というのは、権利を国際的な裁判所に対して訴え、主張することが出来るからです。また政府に対して企業が強く求めているのは、ビジネスがよりやりやすい環境を確立するために、既存の政策や規制については撤廃あるいは引き下げる、緩和するということです。

しかし、今ある既存の政策あるいは規制というのは、それぞれ社会的な必要性、環境上の必要性あるいは食料の安全保障という観点で導入されているわけであります。したがって、このTPPの交渉の中では、政府に対して企業が求めている目的と、それが国益のために必要と考えられていることを立法府が行う、そしてまた市民団体の願いや要望との間で対立が起きているということであります。

当初の商業的な見返りというのは、それほど大きくはないと思われますが、しかしいずれはAPEC全域に及ぶ自由貿易協定に拡大しようという構想があります。その中には中国、インド、韓国、日本も含まれることになります。過去においてもこのような構想はありました。しかしながら、APECではFTAに向けた提案は却下されています。これから、アメリカのひな形でつくられたアジア・太平洋地域においての自由貿易圏の構想というのは、他の国において受け入れられるかどうか不確実といえます。

アメリカの国務長官ヒラリー・クリントンは、既にこのTPPというのは、アジア・太平洋地域において中国を牽制するためのものであるということを主張しています。ですから他の国々に参加してもらい、そしてまた、その合意された内容をもって中国を牽制したいと考えています。

次のこの6ページですけど、作業グループとしていかに広い分野をカバーしているのかということがおわかりいただけるかと思います。しかしながら、交渉は非常に緩慢なペースでしか進んでいません。それは一部の分野が広く、そして複雑であるからです。それだけではなく、アメリカの議会において、既にアメリカと締結している韓国、カナダ、コロンビアとのFTA自由貿易協定について、承認がされていないからです。

次のページですけど、今後のスケジュールについてです。
当初の目的というのは、ホノルルで開催される11月のAPECの首脳会合が、その大枠決定の時期とされていました。しかし実際のところ、特に機微な分野であります農業も含め他の交渉についてもまだ始まったばかりであります。ですから交渉は、おそらく来年に先送りになるだろうと思われます。しかし、来年はアメリカ大統領の選挙であります。ですから、?なくとも2年間は時間を要するのではないかと考えられています。したがって、この協定の中身について、より時間をかけて理解していくことが出来るということです。

では次の8ページですけども、各国の交渉の中で浮上して参りました主な問題点についてご説明申し上げます。

物議をかもしている分野の一つとして、知的財産権が挙げられます。とりわけニュージーランドにおいては、これは大きな問題でありまして、医薬品は安く購入出来るという環境があったんです。アメリカの製薬会社はニュージーランドの制度を問題視しています。実はその提案内容が一部リークしたので、その中身を見ることが出来たんですけど、その中身どおりに協定が結ばれてしまいますと、今後、ニュージーランドにおいては、今までのように安く医薬品を入手することが困難になります。

また、マイクロソフトのようなコンピューターの会社は、その知識に関しても制約を課したいと考えています。インターネットでダウンロード出来るファイルなどについて有料化したいという意向を持っています。しかし、過去グーグルのような企業は、いま申し上げたマイクロソフトのポジションには反対しています。

さらにそのリークされた文書によりますと、アメリカは著作権の保護期間をより長く設定したいと考えているようです。そうなりますと、図書館が悪影響を受けることになります。また、翻訳などに関しても、より長い期間アクセス出来ないという問題が生じます。

二つめに問題として浮上しているのは、外資の投資家のルールに関してであります。
具体的に申し上げますと、外国の投資家が土地あるいは資源など、戦略的な資産に対して投資をする際の制約を緩和するという内容が主張がされているということです。これは例えば、今日先生方に伺いたいのですけども、この地域で構想として検討されている漁業に関する特区が影響を受けることになります。例えば漁業権などが確立され、特区において外国の投資家が漁業権を獲得した場合には、一旦その様な権利の移行が行われると、後でその民間企業の漁業が、地元・地域社会に対し悪影響を及ぼしていると考えられる場合でも取消をすることができません。元に戻ることが出来ないのです。

また、この協定の中身によって、協定の中で謳われている権利に関して、外国の投資家は政府に対して権利を行使することが出来るようになります。これは裁判としては、世界銀行に付随する非公開の裁判で行われますので、中身について情報にアクセスすることができません。

オーストラリア政府は、煙草に関してはプレーンなパッケージでしか販売してはならないという規制を導入しています。それに対しまして、アメリカの煙草会社でありますフィリップモリス社はオーストラリア政府に対して、この要件を緩和するよう訴えています。フィリップモリス側の主張としては、自社の商標でありますマイルドという知的財産権を、オーストラリア政府が煙草に関しての公衆衛生管理法を施行することによって侵害しているということを訴えているのです。そして何十億ドルという損害賠償をせよということを求めています。

また、日本に関係のある問題点としては、国営の貿易会社に対しての問題が挙げられます。いわゆる国営の貿易会社がありまして、日本の場合は小麦あるいは米、その他の農産物を海外から輸入し、そして日本に流通させるという仕組みが影響を受けるということです。このような国営の貿易会社というのは、外国の企業が日本での競争が阻害されている、これは反競争であるということを主張しています。

もう一つ関係のある分野としては、政府調達市場があげられます。これは学校や道路あるいは建物の建設など、納税者の税金を使って政府が支出する公共投資の分野です。TPPの下では、TPPに参加する外国の企業が、日本企業と同様にこれらの政府調達案件に対し入札する権利を要求します。この分野でアメリカが日本に対して問題視しているのは、様々な建設工事あるいは道路の整備、港湾整備、そして官民パートナーシップの事業です。とりわけ被災地の復興事業において重要な意味をもつと思います。

そしてもう一つ当然のことながら重要になってくるのは農業です。皆さんの中にも農業関連の関係者の方がいらっしゃると思いますので、TPPが農業に対してどのような影響を及ぼすのかということを説明したいと思います。

先ほども若干触れましたけれども、農地の所有権あるいは農業に対する参入について、外資に課せられている要件や制約を緩和するということに対しての圧力がかかっています。そして輸入農産物を扱う貿易会社などに対しての解体が要求されます。検疫などに関しての要件、食品表示などに関する要件を緩和するように強く求められることになります。それはTPPに参加する国の中でも、とりわけアメリカが、しかもその中でも遺伝子組換作物について強い要求をして参ります。

そして当然の事ながら輸入食品に関しての関税を引き下げる、あるいは撤廃することが求められます。TPPの基本的な考え方というのは、発効後10年以内に例外なく全ての関税をゼロにするということです。しかし、日本の場合は特別なケースとして、もう?し時間的な猶予が与えられるかもしれません。ただ、ここで述べたいのはアメリカも同じように受け入れるのであろうかということです。過去の交渉を見ても明らかなように、アメリカは農業について譲歩していません。例えば、オーストラリアに対しては砂糖が例外として扱われています。そして現在のTPPの交渉の中では、ニュージーランドに対しては、乳製品に対する市場アクセスは一切譲歩しないという立場をアメリカは提示しています。ですから現状の印象ですけども、アメリカとその他の国とルールは別立てになるのではないかということです。

?し時間が無くなって参りましたので、跳ばしながらご説明申し上げたいと思います。では10ページをご覧いただきたいと思います。

先ほど申し上げましたとおり、この交渉の中で一番重要なのはアメリカです。ですからアメリカが、具体的に日本に何を要求するかということを想定してまとめてみました。近年、アメリカは製造業としてはポジションが低下して参りましたので、現在日本に一番大きく要求が出てきそうなのは、サービス、投資と知的財産権の分野だと予想されます。

11ページをご覧になって下さい。毎年アメリカは、世界各国に対して貿易障壁として問題のある分野を発表しています。そしてこちらに列挙されているのが、日本に対するアメリカの最近の要望です。いずれもTPPにおいて問題として浮上してくると思われる品目です。アメリカが強く主張しているのは、日本の企業と同等の条件で競争できる環境を日本に要望するということです。

そしてもう一つのポイントは、透明性を掲げることを日本に要求しているということです。この透明性というのは、アメリカの企業が日本政府に対して、より協議をする場を設けて欲しい、より発言力を高めて欲しいということであります。具体的には、日本政府の諮問委員会などに席を確保したい。あるいはパブリックコメント、意見募集において発言をしたいということです。

いま申し上げたようなことが、具体的にはどういう影響として出てくるのかを事例をもって証明したいと思います。これは、貿易問題というよりも社会的な問題と位置づけられると思います。TPPの枠組みの中では、医療というのが社会的なサービスとしてみているのではなく、商業的な市場という見方をしています。そのような枠組みの中で、日本の生活の中で変更して欲しい、改正して欲しいと特定されている分野がいくつかあります。

例えば、私立の病院を運営する際の外資の導入を緩和して欲しいと要求しています。またPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)、先ほどの官民パートナーシップのような仕組みの中で事業に参加し、病院の運営をしたいという意向をアメリカの企業はもっています。そしてその中で、権利を保証して貰い、問題があった時には国際的な非公開な裁判所に訴える権利を確保したいと考えています。

また、アメリカの企業が、オンラインで国境を越えた保険サービスを日本において展開したいと考えています。ですから、アメリカからインターネットを使って、日本において医療サービスを提供することを考えています。また、自らが求めるような料金で、自由に医療機器、医薬品を日本において販売したいと考えています。そして制限無く日本において血液製剤を販売したいと考えています。

その他にも公衆衛生の分野においては、いろんな要求が対象領域に入ってきます。ですから社会的な役割として見るのではなく、商業的な機会として、TPPの中では様々な領域が影響を受けることになります。

いま申し上げたのが一例でして、私の書いた本の中にも紹介されています。最後になりましたけれども、このようなTPPと民主主義並びに主権との関係について申し上げたいと思います。ここで強調したいのは、交渉内容が決定し、最終的に署名されるまで、次々に非公開で交渉が行われます。

9ページですけども、このように閉ざされた非公開の交渉になりますので、有意義な議論をすることが難しいということになります。ですから出来る限り我々としても、情報を集めて努力しなければならないということです。

このような交渉内容というのは期限がある訳ではありません。いつになったら失効するということはなく、永遠に永続する内容であるということです。また脱退するというオプションがあるかもしれませんが、それさえも安易ではないのです。それは誤りであったと後で反省して変えたい、あるいは新政権が誕生して中身を変えたい、あるいは市場主義が上手くいかないので元に戻したいと考えても、それは出来ないのです。これは国家間で権利を行使するというのみならず、参加している国の投資家が直接政府を訴えることができます。しかも、非公開の裁判の中で審理がなされ、最終的に何百万ドルあるいは何十億ドルという賠償金を支払わなければならなくなる可能性もあるのです。

以上、いろいろ申し上げましたけれども、こういう状況の中で日本政府は本当にこの交渉に参加したいと思っているのでしょうか。その理由として考えられるのは三つ挙げられると思います。

一つは、TPPを通して日本の投資家あるいは企業が他の国の市場にアクセスしたいということです。最後のページになりますが、今TPPを交渉している多くの国とは、既にFTAを日本は締結している、あるいは交渉中であります。そして唯一、やる気になっているのはアメリカですけど、アメリカは決して日本に対して有利な条件をのむことはしません。

二つめの動機としては、TPPが今後、より大きなAPEC、アジア太平洋地域においての自由貿易協定に発展することが期待できるという理由があげられます。しかし、日本は既にASEAN+3あるいはASEAN+6、並びに東アジア首脳会議という枠組みを協議しています。

三つ目は、経済や貿易とは全く関係なく、対中国への牽制の手段として日米間の戦略的関係を強化したいという思いがあるのかもしれません。これは経済の判断ということではなく、外交上の判断ということになります。

そして四つ目が、政治的に実現が難しいと思われる国内再編を、TPPを通して秘密裏に推し進め、政策として固めるということです。しかし、それは将来の政権をも永遠に拘束するものであります。政権が変わって、新たな方向に向かったり、あるいは中身を変更したいと考えても、それは実現し得ないということであり永遠に拘束されるということになります。また権利を行使し続けられるという状況になります。

私も広く日本とTPPの関係について提起をして参りましたし、様々な文献を読んで参りましたけれども、今申し上げた四つの理由の中で、一番大きいのはやはり四つ目ではないかと思います。この四つ目の判断については、自国の民主主義、そしてまた主権を鑑み、日本の国民が決定することだと考えています。

ご静聴ありがとうございました。

 


【質疑・討論】
(質問者)
TPPが大きく問題になったのは、私が見る限り民主党政権が誕生して、特に鳩山政権のもとでASEAN+3、それを基礎にして東アジア共同体の構想が出てきた。それを潰すためにTPPが提起されてきたと、私はそう思っています。結果的にはどうも、日本と中国とを対立させて、そして、アメリカは最終的には日本を使うという方向に行かざるを得なくなっているんじゃないか。そういう点では、非常に危険な動きであることを感じているんですが、先生は最後の方でASEAN+3、東アジア首脳会議という点にふれられたんですが、もうちょっと詳しくお話いただけないでしょうか。

(ケルシー教授)
おっしゃるとおりでして、APECの中でもアングロアメリカ側が、ASEAN+3の台頭によって、この域内においての影響力が損なわれるのではないかということを懸念していると思います。
そしてTPPにおいては、常にそのアジア・太平洋地域においての影響力を拡大するということが主旨であります。とりわけアメリカは、東アジア首脳会議に参加していませんので、メンバーではないのでTPPを重要視しているのだと思います。
だからこそアメリカは、何としても日本をTPPの中に参加させたいと思っています。日本が参加することによって、アジア・太平洋地域のその他のアジア諸国のTPPへの参加につながると考えているからです。テコのような作用を期待しているのだと思います。
しかも既に多くの国々とFTAを締結しているインド、中国、韓国にとりましては、TPPに日本が入らないということになれば、TPPは全く意味のない枠組みとなってしまうのです。日本が入ることが必要不可欠というふうに位置づけられています。
また、確かにおっしゃるとおり、戦略としては中国とその他のアジアの国々とを対立させようという思惑もあります。かつて「APEC全域においてのFTAを」という構想も出てきたこともありましたけども、それはアメリカ主導の色彩が強すぎて失敗に終わっています。だからこそ、今回のTPPに関しても、アジアのサポートというのを取り付けるのが難しいのではないかと私は感じております。やはり分割統治という考え方を受け入れることが出来ないからです。ですから全体が成功するか否かということについては、日本の判断にかかっているといえるのです。

 

(質問者)
先生がニュージーランドから見えられたということで一番聞きたかったのは、ニュージーランドは、最初にTPPの4カ国に参加されてここまでやってきている。2008年からですか、アメリカが交渉に参加を表明したわけで、ニュージーランドにとってこのTPPが、どのような意味を持って、どのような影響があって、どのような利便があるのか。日本については今お聞きしましたが、ニュージーランドにとって、TPPの影響はどうなのかということをお聞きしたいと思います。

(ケルシー教授)
日本について申し上げた問題点というのは、実はニュージーランドにおいても共通のものが非常に多くあります。ニュージーランドにおいて、今まで難しかったのは、このTPPがいかに広い分野を包含しているのかということを理解してもらうことでした。
ニュージーランドで一番問題視されているのは、生乳を安く購入することを可能にする機関があるんですけども、それを解体するということについての議論です。そしてもう一つ問題になっているのは煙草に関しての問題です。それは先ほどご説明したとおりです。そして開放されたインターネットに関する権利の問題も議論されています。また、土地並びに天然資源に関しての外資規制を廃止しなければならないという問題点です。そして、次が鉱業、とりわけ沿岸の掘削などについて権利を再規制する権利が損なわれるということです。
これから予定されています国有企業の民営化に対する影響も懸念されています。中には空港、そして電力会社の民営化が検討されています。そちらへの影響です。このような民営化の流れの中で、外資が所有権を持つということについて制限できるのかどうかが懸念されています。
さらには一旦民営化してそれが失敗した場合に、また国有化するということが、果たして可能かどうかということも懸念されています。例えば過去において航空会社を一旦民営化して、また国有化したという事例があります。鉄道会社についても同様です。そして公的な郵便貯金の制度が民営化されたんですけど、貧困者そして遠隔地に対するサービスが不十分であるということで、再国有化、改めて国立の機関を設立する必要性がありました。また、建設、電力、通信の規制の見直しが今までに必要でした。今後、TPPにおいて要求されると思われるような構想、推進的な手法というのはかつてニュージーランドで試されたけれども失敗したという経緯があるからです。
心配されているのは、我々の日常生活に極めて重要な影響を及ぼすような、今申し上げた様々な戦略的な事業に関して、自ら国内で徹底することが不可能になるのではないかということが懸念されています。
私どもも日本と同様に様々な経験を培って参りました。公益を十分に考慮することなく、短絡的に自由市場政策を推進することの失敗から多くの教訓を得ています。

 

(質問者)
外資の漁業権の参入について伺います。今、宮城県では、民間の漁業者が漁業権に参入することを特区を設けて考えていると思われます。それとTPPが組み合わせることによってもたらされる問題点はどんなことがあるのか、ニュージーランドでおきている漁業権の外資の参入の問題点は何か伺います。
(ケルシー教授)
ご質問ありがとうございます。実は、今いただいた質問は、昨日仙台でも議論した内容です。実は、1986年にニュージーランドでは、漁業権に関して民間への開放を行っています。その結果、零細な漁業事業、漁師の権利というのは、商業権としては確立されなくなってしまい、大きな企業に集約されることになりました。
そして、このような漁業権というのは、投資ということとしてTPPの脈絡ではみなされますので、投資であるが故に保護の対象となります。そして、このような漁業の企業あるいは加工工場に外資が参入していたならば、TPPの協定で投資家としての保護を受けることができます。そして、先ほど申し上げましたこの内容、権利というのは、投資家対国家の紛争解消手続きに付されることも可能です。
また、ルールによりまして、漁業権に関しても日本の企業と同等の権利を外資にも与えることを要求されると思います。このような漁業権に関しましては、後に日本の漁業の状況を考え、そしてまた、地域社会の状況を考えルールを変えたいと提案国政府が考えていても、それは変更ができなくなってしまいます。ルールの適用外という領域を提案国政府がリストアップすることも可能です。しかし、その内容というのは、交渉の対象となります。ニュージーランドの法律によりますと、漁業権に関しましては、外資1社は20%以上持ってはならないとしています。しかし、この制約も緩和するよう圧力を受けているところです。
この投資協定に関してのもう1つ重要なポイントなんですけれども、例外措置として扱ってほしいものに関しては、全てリストアップしなければなりません。しかし、この漁業権というのは、協定の交渉に参加する後で決まることがあります。ですから、先見の明を持って最終のリストに加えていればいいんですけれども、後で出てきた内容というのは、対象外となります。ですから、魔法の水晶の玉があればいいんですけれども、それがないと私は位置づけています。

 

(質問者)
日本人の多くは裁判に慣れていないのですが、紛争解決センターで外国人が訴えると英語が公用語になってしまうと圧倒的に不利になってしまうのではないでしょうか。

(ケルシー教授)
言語以上に大きな問題はたくさんあると思います。この手続きはまず、本国以外のところで争われることになるということです。そしてこの紛争解決センターというのは、公開されていません。外部の人が入ることができないのです。そして、そこで対象になっている文書も公開されません。また、そこで争われる内容、すなわち両者の法的な主張についても外部に公開されません。従いまして、このプロセスは、非常に秘密裏に行われる法的なプロセスです。
アメリカについては、NAFTAという北米自由貿易協定がありますけれども、その中でも物議をかもした内容となっています。このような権限を強く要求しないようにというプレッシャーがオバマ大統領にも寄せられています。また、オーストラリアとアメリカの自由貿易協定においては、オーストラリア政府が拒否することが可能でした。そして、TPPの中でも、受け入れないということを主張しています。ニュージーランド政府の立場は、議論の用意はあるというということです。しかし、今申し上げたようなこの投資家対国家の紛争解決手続きが入っていない内容の協定であれば、アメリカの議会の承認を取り付けることは難しいと思われます。
実は、もう1つ触れておきたいのですが、日本は既に締結している自由貿易協定の中にも、この権限が網羅されているものがあります。実は、日本郵政の民営化について、私は深く研究をさせていただきましたけれども、日本・シンガポールの自由貿易協定の中にある条文によって海外の金融機関が日本民営化を否定する、それを逆転させることを可能とする内容が含まれています。しかし、それは、さらにTPPになればリスクがより大きくなるということです。アメリカの企業は、皆さんもよくご存じのように大変訴訟が好きです。

 

(質問者)
投資家が国を訴えることができるというのは、逆に言うとアメリカがよく今までも問題にされてきたダンピング協定とアメリカが一方的に外国企業に対し制裁を科すということに対する逆の面のことなのかと理解できるのですが。

(ケルシー教授)
私はいつもサービスと投資の分野の研究をしていますので、アンチダンピングの話がでるととてもナーバスになってしまいます。その両者を比べると、むしろ今回、投資家に与えられる権利の方がより強力なものだと思います。今回の投資家対国家の紛争解決手続きの中で謳われているのは、世界銀行の国際投資紛争解決センターこれはICSIDというのですけれども、ここで決定された判断については、それぞれの提案国の国内の裁判所が行使、執行するということも条件として加えられているからです。その仲裁内容、判断というのは、非常に高額になりうる損害賠償金です。

 

(質問者)
私どもは、米を無農薬で作っている農家から直接買っている団体です。食の安全が脅かされるようで心配でなりませんが、ニュージーランドでは、安全なお米とか食品に関しまして、それを守るためにどのようになさっているのか教えてもらいたい。

(ケルシー教授)
競争原理が働いているそれぞれの市場において、食の安全性を確保すること
は、非常に難しい問題だと思います。私どもの国の食品安全基準、そしてまた、食品表示についても、様々な物議をかもしています。とりわけ、遺伝子組み換え食品ならびに食品についてのトレーサビリティが問題視されています。
そしてもう1つは、ニュージーランドとオーストラリアの間で食料安全基準が整合化されているということに起因する問題があります。すなわち、整合化されているハーモナイゼーションされているので、ニュージーランドが自国民のために決定できる権限に制約を受けているのです。とりわけ、効率性を高めるために、食品会社あるいは流通業者などが表示に関しての、あるいは規格に関しての整合性を求めています。従いまして、最近、ニュージーランドの緑の党の国会議員の方々と食の安全性をTPPの骨格の中でどのように位置づけるのかということについて、更なる研究が必要だということを議論しています。
これからTPPに関しましても、無農薬や有機栽培などの食品を対象としている消費者団体などは、対象の国となっている、例えばマレーシアも積極的にこの問題を取り組んでいるので、連携を深めて話し合っていくことが重要だと思います。

 

(質問者)
なぜ、紛争解決機関が秘密主義ということがあるのですか。透明性を要求する傍らで秘密、こんな国際協定は認められるのか、理解できません。

(ケルシー教授)
1つ1つの言葉の持つ意味が従来の考え方とは乖離してきたということだと思います。ただこのように、投資家が国際協定の中で権利を行使するという手続きは、新しいものではないのです。
二国間貿易協定というのは、何十年もの歴史を持っています。ただ、例えば建設などに関しての紛争などで扱われてきたという経緯があります。そして背景と致しましては、植民地時代の宗主国が植民地が独立する際に自分たちの権利を守るために文言を入れたっということに遡るのです。そして、このような文言をより協定に盛り込む、またFTAのなかに盛り込むという傾向がますます増えてまいりました。そして今では、より豊かな国もこの紛争の対象となってしまうということがより明確になってまいりました。
アメリカ、メキシコ、カナダというNAFTAの協定にも、この権利が謳われていまして、それが一番最近の明らかな事例だと思います。様々な紛争が起き、それが大きな物議をかもしている状況となっています。しかし、いったん協定の中で、1つの構想が決定してしまいますと、とりわけ大企業の利益が絡んだ際には、もはや元に戻ることはできない、修正はできなくなるのです。
今いただいたような質問は、多くの方も疑問に思っている点です。しかしながら、大きな協定の流れのなかでは、もはや身動きがとれない状況になってしまっているということです。

《転載終了》

これからの国際情勢「三題」

 

米国のしぼむ国家の威信

一人の大統領が統治する間に、これほど国の威信が萎んでしまったというのも珍しい(^^;)。
 
ブッシュ大統領は大統領就任時、胸を張り「一国主義」を高らかに歌い上げたが、イラク問題に続くサブプライムローン問題を契機として、米国は驚くほど凋落の度を加速させている。
 
悪の枢軸」と呼び、あれほど敵視していた北朝鮮に対して、劇的に宥和政策に切り替えざるを得なかったのも、二方面作戦どころか、中東以外に割く余力がほとんど無くなっている兆候といえるでしょう。
 
17世紀のスペイン、18世紀のオランダ、20世紀初頭のイギリスと、農業・工業などの実体経済から金融という分野に経済の軸足が移ると、必ず実体経済が空洞化するというのが歴史の指し示すところです。 
誰だってネクタイ締めて、楽して金儲けしたいという事でしょうか~(^^;)。
 
歴史の教訓に従い、米国はまさにその轍を踏みつつあるという事です。
 帝国の終焉は、いつの時代も通貨の崩壊と共にやってくるのだ!。
 
過剰流動性は投機を生み、投機は必ず失敗を伴う」のです。
 過剰流動性の助長は、輪転機をフル稼働させ、ドル紙幣を刷りまくった米国に、その責任の多くがある。
 
米当局は、ドル紙幣の刷りすぎ状態を隠すため、2006年からは通貨供給量(M3)の公式発表を、止めてしまったほどだ。

なぜいつも米国で、証券市場やバブルが “計画されたように”崩壊するのか……。
それは米国金融業界の懲りない「詐欺的性癖」によるものであり、深く傷ついた信頼の失墜は、ついに取り返しのきかないレベルに至った。 
いつただの紙切れになってもおかしくないドルと米国債。インフレを加味すれば実質ゼロ金利……。


 米国のこれからは騙して儲ける詐欺金融でなく、安いドルをポジティブにとらえ、製造業などで地道に国際収支の改善を計って行く以外にない。
だが米国の実体経済で国際競争力があるものと言えば兵器産業しかなく、従って恐ろしいインフレスパイラルを抑止しつつ、米国発の恐慌を回避し、経済を再活性化させる唯一の選択肢は、世界のどこかで戦争を立ち上げる以外に無いと断言できる。
 
米国は世界恐慌後に太平洋戦争へと日本を誘導したように。
 また純債務(借金)国に転落し「双子の赤字」解消を目的に湾岸戦争を立ち上げ、そしてITバブル崩壊後の苦境からアフガニスタンイラク戦争を画策したように、米国はなぜか不況になると“爆撃熱病”に取り憑かれる。
 

11月の大統領選前に、中東で戦火が上がるか、または米国内で9・11同時多発テロと同じような事件が、あたかも“計画されたように”起こるのです。
 
それは例えささやかな出来事だと思われても、11月の米国大統領選を前に、戦争経済を継続させるためにも絶対必要でありまた、連続して共和党の勝利に結びつくものでなければならないのです。 
意外に思うかもしれませんが、米国大統領選挙システムは民意を反映しない。従って米国経済が戦争を必要としている以上、民主党大統領候補オバマ氏の出番はない。
 
共和党勝利の後に待つものは、北朝鮮には決して見せない強硬な姿勢。「核開発を阻止する」という大義による、イスラエルと連携してのイラン攻撃なのだ。
戦火は中東全体を巻き込む大規模な戦乱へと発展し、歴史はこれを「第五次中東戦争」と命名するでしょう。
 戦域の拡大は米国の望むところであり、ワシントンDCと軍産複合体は、しばらくは、笑いが止まらない至福の時を過ごすのです。
 
繰り返しますが、世界恐慌後の米国経済を立ち直らせるために、太平洋戦争へと日本を誘導したように。今また再び、スタグフレーションが悪化する一方の米国経済を立ち直らせるために、イランを始めとする中東諸国を、第5次中東戦争へと誘導しようとしているのです。
 
私達は、米国政府と米国のマスメディアが垂れ流す戦争プロパガンダに惑わされる事なく、両目を見開き、米国が仕込む “開戦の手口” を、しっかりと見届ける必要があるのです。2009年に始まる中東大戦争は、「アメリカのアメリカによるアメリカのための戦争」といえるのだから。
  

 

まやかしの六カ国協議

六カ国協議とは、公式には「北朝鮮の核廃絶に向けた協議会」とされていますが、それは大いなるまやかしだろう。
 
六カ国協議とは、「朝鮮半島統一の為に日本から金を出させる為の五カ国協議」というのが、正しい定義ではないでしょうか(^^;)。
 
東西ドイツの統一を見てもお解りのように、当然のことながら南北朝鮮の統一に際しては、莫大な経済支援を北朝鮮に注入しなければなりませんが、その統一に必要な費用のほとんどを、日本から出させようとする合議の場が、六カ国協議なのです。 
日本だけが合議の蚊帳の外にいるのに、金庫の鍵を持っている為か、協議会メンバーに迎え入れられたのです(^^;)。
 
国際原子力機関IAEA)の検証を実質認めないのは、核放棄を、“技術的”にではなく、“政治的”に解決しようとするものであり、そこに本質的な欺瞞が隠されているのだ。
 
これまでは「北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議……」という言い方がされていましたが、やがて「東アジアの安全保障を協議する六カ国協議……」という表現となり、最終的には「東アジアの安全保障に寄与する南北朝鮮の統一を促進させる六カ国協議……」という風に、静かに気づかれないように変貌していくはずだ。
 
「会合は非常にうまくいった」、米主席代表のクリストファー・ヒル国務次官補は、よくこの言葉を使う。
 
だが、その言葉は日本以外の五カ国の利益を代弁するものであり、日本が求める北朝鮮の核が、確実に排除されたのかどうか、一向に明らかにされぬまま、南北朝鮮の統一に必要とされる、兆円単位の莫大な費用の多くが、日本が最も多く出資しているアジア開発銀行やその他の国際金融機関から、北朝鮮向けに融資される事になるでしょう。
 
北朝鮮に拉致された被害者を救済しようと、「救う会」や「特定失踪者問題調査会」を始め関係する諸団体が一丸となって、一生懸命拉致被害者救済に立ち上がっていらっしゃいます。 
しかし、残念ながら南北朝鮮の統一が実現するまでは、拉致被害に関わる事態進展はまず無いとみて良いでしょう。
 拉致された方々は、まさに「六カ国協議の人質」となって、捕らわれ続けるのです。
 
本来ならば、この北朝鮮による日本人拉致は、日本への完全なる主権侵害であり、我々は国軍をすみやかに遠征させ、奪還するべきものなのです。
 
憲法9条を守ろう!」という平和運動もあるようですが、条文が私達の身の安全を保証してくれる訳でもないし、その手の議論は、北朝鮮による拉致被害者が、全員日本に帰国してからにしてほしい。
 

 

北京金ぴかオリンピック

スポーツの祭典である北京オリンピックの場は、厳重警備のため選手や応援団はスタジアムに入れず(^^;)、誠に英明なる皇帝「毛沢東」首領様と、慈愛に満ちた中共共産党を慶賀し褒め称えるための、“政治的式典”として大いに盛り上がるだろう。
 
オリンピックを開催するまでには、中共の人権問題は改善され、民主化が進むだろうと見られていました。
 
IOCも国際世論もその論調で一致し期待もしていましたが、この期に及んでも一向に実現しなかった。
 よくよく考えれば、それもそのはずなのです。中共には西側民主主義国家で言うところの「国民」は存在し得ないのです。
 
中共はごく一部の1%に満たない共産党特権支配階層を除き、その他大勢の「朝貢労働者」が居るのみなのだ。
 国民が居ないのだから、今までもそしてこれからも、民主化はもちろんの事、国民としての権利・義務・人権も考慮されないのは当然なのです。
 
北京オリンピック後に、大波乱の一幕が開くのだと思えば、他人事ながら中共共産党の栄華の終焉を象徴する、この北京オリンピックの場を、彼らと共に盛大に祝ってやろうじゃありませんか。
 


弾圧され続けたチベット族や新疆ウイグル族など少数民族の独立運動の激化、河川は工場の下水路となり、どこを掘っても重金属に汚染された地下水しか湧かないし、マスク無しでは外出も出来ず、毎日の食事は命がけそのあげくに突然奇病が流行り、砂漠化が猛烈な勢いで東進している……。
 
共産党独裁政権の無策により、中共大陸よりも月世界のほうが、よほど住みやすいと思えてしまうほどだ。
このように危機的状況にある中共の環境問題だが、それが「ままごと」に見えてしまうほど、“超深刻”な問題を、中共共産党独裁政権は抱えている。
 
それは、毛沢東によるアウシュヴィッツになぞらえる「文化大革命」と「労改」による拷問と殺戮により、虐殺された中国人は4,000万人ともいわれるが、被害者側である遺族の“復讐心”が、いっさい精算されていないという点だ!。
今は息を潜める被害者の遺族も、中共共産党独裁政権が弱体化したとみるや、その時こそ支配階層である共産党員に対し、鋭い牙をむき出しにして報復に出るに違いない。
 
「報復が起きるのが世の常だ。相手に対してやった事は、そのまま仕返しされる。但し前よりひどくなって」
 
すべての共産党員は、この言葉を噛みしめる事になるだろう。 但し、生きていればの話だが…。
 


その国の経済指標となりうる株価。上海総合株価指数は、北京オリンピックを前にして下げ足を早めている。
 北京や上海、広州など主要都市の地価の暴落が始まっている。そしてマンションも全く売れなくなっている。
 
経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)によれば、上海総合株価指数は、昨年の10月16日につけたピークの四分の一に下落しても、いっこうに不思議ではないのだ。
 
「国際平和のためのカーネギー財団」など複数の米シンクタンクが、中共が経済規模で2030年頃米国を追い越し世界一となる。などとした報告書を相次いで発表したが、それは魅力的な中共投資をアピールし、日本などから新たな投資を呼び込み、これによりこれまで中共で莫大な利益を計上していた米国資本を、資本入れ替えにより、速やかに米国に逃避させるための詭弁に過ぎない。
 
日米が例えば毎年、ごく僅かな2~3%成長を続けるだけで、中共は毎年10%成長を続けても、日米の経済力に追いつくのは難しい。それが日・米・中の経済力の実態なのです。
 
米国のシンクタンク格付け機関……。今まではどうか知らないが、これからは気をつけた方が良い!。
 

いずれにしても北京オリンピックに向け背伸びをしすぎた中共は、祭りの後の反動により大いなる試練の時を迎える。2010年上海万博は実施不可能だろう。
 
インフレスパイラルが止まらず貧困層を直撃するため、8億人といわれる農村の貧困脱却は夢物語となり、収入格差は地球上の出来事とは思えないほど開き、街中には出稼ぎの民工など失業者が、溢れかえる事になるでしょう。
 
幸せな老後を迎えられるのは、「国外逃亡」という切符を持った、一部の共産党高級幹部だけかもしれない。
 

敵対勢力が不在の今、すぐに中共共産党独裁政権の圧政が消え去るわけではないが、経済混乱の責任の擦り付け合いで、中共共産党独裁政権は過去の政治闘争の時代へと逆戻りし、街中では失業した怒れる民衆の大暴動が激発する……。
 
暴動を押さえ込むために、中共共産党独裁政権を警護するために存在する人民解放軍が、「天安門」と同じように民衆に向け、戦車砲弾を再びぶっ放すかどうかは誰にも解らない。
 
また中共は経済が挫折すると、その行き詰まりの原因が諸外国にあるとして、必ず排外主義が台頭する。中共バブルが崩壊したら、まず日本人と日本企業がそのターゲットとして狙われる危険性が高い。 
だからどうしても、中共を観光で見て回りたいという人は、北京オリンピックまでに済ませておいた方が良さそうだ。

共同統合調整所???

米軍再編  〔 2006年3月05日 共同通信
 
日米両政府は2005年10月の中間報告で、施設の共同使用など自衛隊と米軍のより緊密な連携を図ることを目的に横田基地(東京都)に共同統合調整所を置くことなどで合意。
 
沖縄の基地では、普天間飛行場(宜野湾市)をキャンプ・シュワブ(名護市)沖へ移設、海兵隊7000人をグアムへ移駐させ、費用の一部を日本が負担するとした。
 
海上自衛隊鹿屋基地(鹿児島県)への空中空輸機移駐検討、航空自衛隊新田原基地(宮崎県)、築城基地(福岡県)の米軍使用強化、米空母艦載機の厚木基地(神奈川県)から岩国基地(山口県)への移駐などを盛り込んだ。
 
3月末までに最終報告が出される予定。

 

 このわずか270文字余りの短いニュース記事ですが、ニュース記事としては初めてではないかと思われますが、 共同統合調整所 という言葉が登場しました。
 
あまりにも漠たる名前ですから、たいがいの方が軽く読み飛ばしてしまいそうですが、私は特殊なとらえかたかもしれませんが、対中国戦への準備だなと感じました(^^;)。
 
「共同統合調整所」の持つ機能を、理解しやすい最も的確な言葉で表すとすれば、「対中国戦日米統合司令本部設立準備室」というのが相応しいと思われます。
 
しかし、戦争準備というものは、対戦国や自国民に気づかれないように水面下で進めなければなりませんよね。苦心の末考え出されたのがこの表記の「共同統合調整所」という表現ではなかったでしょうか。
 

 

戦争準備は長い年月を必要とする

 戦争の立ち上げの計画立案から、実際に戦火を交える最終段階までの期間というのは、数年から十数年というスパンが必要であるといえます。
 
その長いスパンを、フルマラソン競技42.195kmの距離に例えれば、交戦国が戦火を交える段階はゴール前の2.195kmのポジションにあるといえるかもしれません。
 
つまりミサイルが飛び交ったり、国境線などで戦闘が展開されたりする実際の戦闘行為の遂行は、戦争が間もなく終了する段階、つまりは終盤だといっていいでしょう。
 
数年という期間に驚いてはいけませんよ。米国は日本を侵略するための研究を、非公式ながら日清・日露戦争直後から始めているのです。
 おおよそ100年前から日本を攻略する研究を開始したという訳ですから凄いですよね(^^;)。
 
公式な資料としての日本侵略研究は大東亜戦争開戦よりも50年ぐらい前から登場します。
 そうだったのですね。日米開戦50年前から、我々は米国のターゲットだったわけです。
  

「オレンジ計画 アメリカの対日侵攻50年計画」 (エドワード・ミラー著/新潮社刊)

 
この本の中で、太平洋艦隊司令長官チェスター・ニミッツ提督は“戦争は海軍の図上演習で予測した通りに展開した”と語っているのです。
 戦争とは、その準備期間とその計画の緻密さにこそ、勝敗の行方がかかっているという訳ですね。
 
準備期間という視点に立てば、米国による対中国戦は、中国を攻撃すると定め、攻撃の手順などの戦争計画はすでに作成済みであり、計画に従って司令部の設置や軍備の配置・情報通信網の整備などなど、実際的な軍備設置段階に入っているとみて間違いありません。
 
つまり現在は、米国による対中国戦の、フルマラソンでいえばコース中間点付近に位置しているといえるのではないでしょうか。
 
そしてやがてゴール!。つまり米中の全面戦争勃発は、2010年上海万博が閉幕した後早い時期に……という事になります。
 
上海万博後、米国は早い段階で中国バブルの潰しに取りかかるでしょう。
 中国経済をガタガタにして、失業者が町に溢れさせ内乱を誘発する……。
 
現在米中関係は、元のレート問題を除き大きなトラブルもなく、比較的平穏に推移しています。
 それはただ今仕込み中というわけですね。「山高ければ谷深し」バブルを徹底的に膨らませた方が、弾けたときのダメージか大きいですから。
 
おっとその前にやっておかなければならない大切な仕事があります。
 米国は、中国との戦争を有利に展開させるために、イランを空爆するでしょう……。
 
イランは中国に石油を供給しています。
 大東亜戦争に突入する前、米国は日本への原油輸送ルートを遮断しました。
 石油がなければ、最新鋭の戦闘機や戦艦を配備しても、飛ばすことも出来ず、港から一歩も出られません。
 
中国への石油輸送ルートを押さえる事が、対中国戦の第一歩なのです。
 イランの石油を押さえない限り、対中国戦は始めることが出来ないといっても過言ではありません。 
米国は、この手の外堀を埋める戦略は、周到に準備するのが常ですよね。
 

一方ロシアも中国に石油を供給しています。
 ロシアも中国同様に敵対的なスタンスはとっていますが、米国はこちらは政治的に解決できると楽観しているでしょう。
 政治決着。そう、お金と利権で……。
 
イランを攻撃するのは、米国が中国を侵略するための布石という理由だけではありませんが、かくのごとく戦争とは遠大な計画の元に、一歩一歩着実に作戦は遂行されていくのですね。 対イラン戦も、対中国戦の準備作業のひとつに入っているという訳です。
 
米国によるイラン空爆は、作戦計画通り来年中には実施されるでしょう。
それから、更には戦争準備の一環として、日本は米国の圧力により憲法を改正させられます。もちろん集団的自衛権を認めることなどが主要な改正点ですよね。
 
悲しいかな、米国の属国である日本は、これを拒むことは出来ません。
 我々もドイツのように「日本は米国の51番目の州ではない」と、ハッキリいいましょうよ(^^;)。
 

 

米国の豊かさの源泉はなにか

米国の軍備は断トツ世界一だが、借金でも世界ナンバーワンなのだ!。
 財政赤字・貿易赤字、この二つの赤字が日に日に膨大な金額で積み上がっていく…。
 
クリントン政権など、一部期間を除き20年以上もの借金生活が続いているのです。
 一般的な経済法則に従えば、こんな事はあり得ない話です。
だって近年だけみても、デフォルトに陥ってIMFにお世話にならざるを得なかった国は、結構ありますよ。 最もIMFのお世話になると、身ぐるみ剥がされてしまいまから気をつけないとね(^^;)。
 
しかし、借金まみれでありながら、米国民は庶民レベルでも大きな庭付きの大きな家に住んでいるし、とにかく豊かな生活をしているように見える…。
 こんな身の丈を越えた、豪奢な生活を続けられる理由はいったい何処にあるのか?。
 

理由は、主に二つ!
 1,ドルが基軸通貨だから
すなわち全世界で米国のみがドル紙幣を印刷する輪転機を持っている!。


 これは強い!。これは超強力だ!。
 ハハーッとひれ伏したい気分だね(^^;)。
 
(※ひょっとすると北朝鮮も、中古のドル印刷機を持っているかも(笑))
 

今はイラク戦争などで出費がかさみ、24時間態勢で刷りまくっているらしい…。
“金さえあればたいがいのことは出来る!”と我々庶民は実感しているが、それは国家も全く同じでしょう。
 ドルの基軸通貨としての地位を保持。つまり米国は覇権を維持しドル支配体制を確保さえしていれば、身の丈を越えた贅沢三昧の生活が続けられるというわけですね。
 
2,日本が米国の赤字を穴埋めし、ドルを買い支えているから
 毎日毎日汗水垂らして一生懸命働いているのに、いっこうに豊かさは見えてこない…。
 国としても、経済活動はかなり活発になっているのに、金利は上がってこないし逆に借金は膨らむ一方…。
 
その多くの原因は、我々が受け取るべき報酬の対価のほとんどが米国に吸い上げられているからなのです。
 将来紙くずになるのは確実なのに、日本国政府は米国債を買い増しし続け、米国の借金の穴埋めをしている。 お上品にもすべてドル建てだ!。勝海舟なら「従属も ここに至って 感激生ず」と言うだろう(^^;)。
 
そして、飽きることなくドルを買い支え続けているのです。近年は中国も買い支えの仲間に入ってくれました。
 日本と中国がドル買いを止めればドルは大暴落へと至るので、買い支えは米国が覇権を失い日本への支配力をなくすまで続く事になるはずです。
 ヒェ~~。そんなに長く~(^^;)といった気分ですよね。
 
驚くことに、日本政府は米国債購入金額の公表を拒んでいるのです。
 公表するのも恐ろしいほどのボリュームになっているのでしょうね。他人の金だと思って…。
 
ちなみに、米国債は米国政府から“転売禁止”を固く言い渡されているそうですよ。
 つまり米国債は“流通できない紙切れ”という話ですよね。
日本の財政は火の車だというのに、30兆円以上もの金を毎年貢いでいるのです。
 

更には、ゼロ金利や超低金利政策をとり、企業の余剰資金が米国に流れるように操作しています。 日銀がどのような“難解で高度な”理論をもって説明しても納得できません。ゼロ金利・超低金利は米国の圧力で継続されているのです。
 残念ですが、日銀の金融政策に日本の国家主権は存在しないといっても過言ではありません。
 
日銀の皆さんは、「米国の指示通りに動いているだけ」と弁明できないところが辛い!。どうぞ胃潰瘍にならないように注意して、これからも頑張って下さいね(^^;)。
 

ハッキリ言って、米国を潰すのは超簡単ですよ(^o^)!。
 日本が “米国債を買うのはもうやめた!” と宣言すれば、米国債は暴落しドルも投げ売られ、その日のうちにデフォルトに陥ってしまうでしょう。
 「日本は米国がいなくともやっていけるが、米国は日本がいなければ明日はない」これが日米の真の姿なのだ。
 
日本国民の涙ぐましい勤勉さのお陰で、米国民は自由だ民主主義だと世界で威張っていられるのに、やれ “牛肉を買え”とか“グアムに引っ越ししてやるから金を出せ” とか…。
「米国よ、誰のお陰で……。」といいたいところですよね。
 
米国は、国造りの基本である製造業をないがしろにしたツケに苦しんでいる。
 このままでは、ドルの価値を半分に切り下げても、貿易収支は均衡しないでしょう。
 だって、はたして米国に魅力的な輸出品があるでしょうか……。
 もっともその前に、そんな貧乏暮らしに、プライドの高い米国国民が耐えられるかは疑わしいですよね。
 
少し話が逸れてしまいましたが、このような有様ですから、お金は日本国内から米国に流れるばかりで、ちっとも戻ってこないのではないでしょうかね~。
 米国の圧力によりこうしたひどい収奪システムが出来上がっている訳ですから、日本政府を責めすぎるのも少しかわいそうですが、本来我々が享受すべき利益は、そのほとんどが意図的に米国民の懐に流れていくという事だけは、しっかりと覚えておきましょうね(^^;)。
 
注目しなければならない点は、米国は確かに残光を放ちつつ消えゆく運命にある斜陽の帝国ではありますが、それ故に現状を維持するために、これから益々金が必要になりますよね。そして無謀にもブッシュ政権は選挙対策の一環として大減税を恒久化しようとしているし、なにより米国経済はこれから減速傾向が顕著になっていくでしょう。
 
従って、日本から収奪するお金も右肩上がりで増やさなければ、財政が持たないという国情が米国にはあるという点に注目する必要があります。
 

まとめてみますと、米国は引き続き豊かさを保持するために、
 ・ドルの基軸通貨の地位を脅かすものは容赦なく叩きつぶす。
 ・米国の赤字を補填する属国としての日本を手放さない。
 
歴代米国大統領は、断固としてこの二つの方針を堅持するでしょう。
神にも近い「ドル印刷機」を奪い去ろうとするものは、武力により叩き潰す!というのが米国の確固たるスタンスなのです。
 


また米国が日本の支配を続けるためにも、極東アジアの緊張は引き続き存在したほうが好都合です。従って北朝鮮には、今まで通り傍若無人に振る舞ってもらい、極東アジアの緊張感を高めさせ、米国の極東アジアでのプレゼンスを維持する……。
 金正日は、米国が何を望んでいるかよく御存知なのですよ(^^;)。
米国と北朝鮮は強力な営業パートナーといえるかもしれませんね。
 
金正日のすぐれた営業能力により、日本は打ち落とせるかも怪しい“天空のマジノ線”つまりBMD弾道ミサイル防衛システムを、これまた膨大な金を払って購入する羽目になるのですからね~。困ったものです。
 
そんな才覚豊かな北朝鮮を、米国は対中国戦までは恋人のように大切にしてくれます。 対中国戦では、韓国・北朝鮮は中国と連合しますからね。結果的に中国と同じ運命を歩むことになります。
 
ところで、北朝鮮にも一言申し上げておきたいと思います。
 
東京都豊島区と同じぐらいの経済規模しかない極東の小国である北朝鮮が、超大国の米国を相手に、皮相的には一歩も譲らず対等に渡り歩いているそのお姿は、極東アジアのヒーローにさえ見えますよ。マジで!。
 
国民への手綱もしっかりと締め、国論を一定方向にキッチリ束ねて政権も盤石に見えます。 中国と同様に言論の自由無き国家の恐怖政治ゆえと言えなくもないが、将軍様閣下の優れた見識と政治的統率力のなせる技と申し上げるのがフェアーな評価と申せましょう。
 
しかしながら、将軍様閣下も御承知のように盤石な政権とて同じ。わずかな水漏れを見逃すことにより、結果として大きな堤防の崩壊に至る事態も起こりえます。
 お腹を空かした自国民を前に偉そうな演説をぶつときには 「そのビール腹だけは隠せ」 と申し上げておきたい(笑)。
 

 

中国は覇権の野望を持つが

尊大さにおいては、米国と双璧をなすといえるのが中共ではないでしょうか。
 奢れる白人にも手を焼きますが、いまだ中華思想を引きずっている中共も困ったものです。
 
中共とは中華思想で「世界の中心で咲く国」といった意味だそうですが、汚職にまみれた中共共産党政権はとても“花”にはみえませんし、世界の真ん中に居座られても困惑する国が多いのではないでしょうか(^^;)。
 
アヘン戦争に負けてからこの100年、中華帝国は屈辱的な支配を受けてきて、今こそ仕返しをするときが来たのだ…。
 おそらく共産党政権の誰もが、この意気に燃えているのではないかと思われます。
 
〔※アヘン戦争では、中共は主権国家として適正な対応をしましたが、結果的にイギリスに蹂躙されました。この戦争は白人による植民地拡張主義の悪弊を象徴するひどい事件でした〕
 
中華思想という誇大妄想にとりつかれた共産党政権は、いつの日か必ず次の覇権を取りに行き米国とぶつかるでしょう。過去の歴史を振り返ってみても、現在の覇権国は次の覇権を狙う国を必ず叩いているのです。
 従って近い将来覇権をかけ、米国は中国を必ず叩くというのが、歴史の必然ではないでしょうか。
 
米国が勝てば、これから四半世紀ぐらいは米国の世界が続きますが、中共に負ければドルの基軸通貨体制は崩壊し、米国は一気に発展途上国へと凋落していくでしょう。
 

確かに中共にもチャンスは大いにあります。
 政治カードとして米国債をせっせとため込んでいますし、ロシアをはじめとする近隣諸国と連合を強めてもいます。
 
また中共は核兵器を保有している大国ですし、なによりも中共は広すぎて軍事支配するといっても、たいへんな労力を要すると思われます(^^;)。
 広大であるが故に、ゲリラ戦法で出てこられたら…。
 実際日本軍はこれで苦労しましたからね。
 

ただ残念なことに、中共も脇が甘いといわざるを得ませんね。
 米国の属国である日本が、あまり大きな口はたたけませんが、中共も米国と戦火を交えるつもりなら、脆弱な国家体制をもう少し何とかしなければ…。
 

次の新聞記事をご覧下さい。疎外される中国農民のお話です。 

悲しき「農村戸籍」「出稼ぎ」は賠償半額以下 都市生まれでも差別/中国
 〔 2006年2月14日 読売新聞 〕
 
【上海=加藤隆則】中国・重慶市で昨年12月、同じ中学校に通う女子生徒3人が死亡する交通事故があった。
 うち1人は農村戸籍を持つ出稼ぎ農民の子どもだったため、賠償金が都市戸籍を持つ2人の半分にも満たなかった。農民を差別する現行戸籍制度に疑問の声があがっている。
 
3人は、バイクを改造した3輪タクシーで同市江北区の学校に向かう途中、横転した過積載トラックの下敷きになった。
 事故後、トラックを所有する運輸会社と3遺族、学校、警察を交えた賠償協議が行われた。
 
都市戸籍を持つ2家族は、20万元(約280万円)の賠償金で和解。ところが、隣接した農村戸籍を持ち、一人娘の何源さん(14)を失った食肉販売業者、何青志さん(37)に示された額は7万元(約98万円)だった。
 
2004年に施行された最高人民法院の死亡賠償金規定が、戸籍のある「本籍地」の平均収入20年分としていることを根拠とした。何さんの場合、隣村の農民収入が基準になったのだ。
 
何さんは「娘は都市で生まれ、同じ学費を払っていた。どうしてこんな差別を受けるのか」と抗議した。だが、地元政府のどの部門も相手にせず、最後はやむを得ず、8万元で和解書類にサインしたという。
 
何さんは「私は中学しか出ていないが、法律はみんなに平等だということぐらいはわかる」と憤りが収まらない。昨年、子宮の摘出手術を受けた妻のシン(しん)登蘭さん(39)は、「もう子供を作れない」と泣き崩れるばかりだ。
 
重慶市民の多くも、「同じ命に、なぜ違う値段がつくのか」と批判している。
 
中国紙によると、一昨年10月、湖南省長沙でも同様の事案があった。出稼ぎ農民が死亡したバス事故の賠償金訴訟で、1審判決はバス会社に、市民と同基準の約20万元の支払いを命じた。だが、2審は農村基準を適用、約8万元に減額した。
 
こうした損害賠償事案は、国民を農民と非農民に二分し、農民を土地に縛り付ける現行戸籍制度(1958年施行)と社会実態の間にある矛盾を、はっきり映し出している。今や中国は人口流動化の時代に入り、出稼ぎ農民数は2億人に達したとも言われる。
 しかし、彼らは、経済発展に必要な労働力として暫定的に都市居住を認められているに過ぎない。農民の立場はどこまでも弱い。
 
農村戸籍を持つ人々の多くは、「農民」というだけの理由で蔑視(べっし)され、賃金を抑えられ、長時間労働を強いられる。社会保障も不十分だ。
 中央党校が四川省で行った調査では、出稼ぎ農民の労災保険加入率は3・41%、医療保険は0・84%、失業保険は0・83%だった。
 
義務教育である小中学校の入学でも、出稼ぎ農民の子弟は年間数百元の追加費用を要求されるケースが多いとされ、就学率の低さにつながっている。

  

中共農村の都市部との開く一方の格差と、深刻化する農村部の貧困は、ここであらためて記述するまでもなく、多くのメディアで関連記事が掲載されているので更に書き進めることはしません。
 
国営新華社通信日本支部の朝日新聞でさえ、かなりの頻度で中共の格差と、共産党政権の腐敗記事が登場するようになっていますからね。本当に驚きです。
 
中共の持つ二つの大いなる欠陥!
 1,共産党幹部とその取りまき連中の底なしの腐敗は、道徳性の欠如の伝統ゆえ。
 2,10億に近い農民 (=弱者)からの伝統的な搾取。
 
この二つの悪弊を是正しない限り、中共ではこれからも未来永劫に平和的政権委譲はありえないし、歴史上繰り返されてきた王朝崩壊と支配者変遷のドラマを演じ続けることになるでしょう。
 つまりは生活に追いつめられた農民が武器を持って立ち上がり、共産党政権は為す術もなく打倒される……。
 
中共バブル崩壊後に起こる農民暴動はかつてなく超大規模なものになりますよ。
 中共全土で勃発する大暴動に、共産党政権は幹部自身が身を隠すのが精一杯の対応となるでしょう。
 
所得格差への不満も大きいですが、共産党政権への怨念も凄まじい。
 なぜなら、革命狂の毛沢東により推し進められた「大躍進政策」と「文化大革命」の二つの愚策により、粛正されたり餓死した人々は5千万人を越えるといわれています。
 
だが、中共民衆はこの二つの愚策の真実を知り得ないでいる。
 毛沢東の時代から現代に至るまで、中共の民衆はどこまで真実を知り得ているのか!?。
 その答えは中国のネット環境に如実に表れている。
 あそこは紛れもなく “収容所 ” だ!!。
 
現時点では「文化大革命」世代の不満は、共産党政権により完全に封殺されている。
 だが、殺された人々に連なる遺族や反対勢力は、共産党政権への仕返しのチャンスを掴むべく、これからも沈黙を守り、静かに“その時”を待っているはずですよ……。
 
そして中共侵略を狙う米国は、チャンスを逃すことなく、この脇の甘い部分を必ず突いてくる!。
 
米国は米国が望む時期に中共バブルを崩壊させ、中共国内の政治・経済を大混乱に陥れるでしょう。 仕事を求めて中共民衆はデモを繰り返し、暴力的な激しさを倍加させながら暴動へと発展していく……。
 
私達は、「文化大革命」などで、偏狭な集団行動をとる中共人民の姿を目の当たりにしている。 一旦動き始めたら、暴走を誰も止めることは出来ない!!。
 
米国はその集団エネルギーを上手く利用し、反政府勢力を支援しながら内乱を煽るはずだ!。米国は中共民衆の側に立つという戦争プロパガンダが発せられた時。それが事実上の宣戦布告となります!!。
 

 

米国はイランを空爆する

イラクは「石油の決済をユーロで行う」と宣言したが故に、米国により潰されました。同じストーリーで、悲しいかなイランも米国のターゲットになってしまったのです(^^;)。
 
次の記事をご覧下さい。

イラン:石油取引所、年内開設計画 ユーロ建てで米に挑戦か
 〔 2006年4月17日 毎日新聞 〕
 
テヘラン春日孝之】石油大国のイランが石油取引所の国内開設を目指している。
 取引の通貨がユーロになるとの情報が流れ、オイルダラーに依存する米国の「ドル支配体制」への挑戦ではないかと観測を呼んでいる。
 
計画最高責任者のアゼンプール元石油省次官(55)は毎日新聞の取材に「いかなる通貨も強制しない。取引所を『政治の道具』にするつもりはない」と強調した。
 
イランは第3次開発計画(00~05年)の中で取引所開設構想を打ち出した。今年3月までにペルシャ湾キシュ島に開設する予定だったが、イランは今年1月に開設延期を発表、取引所の運営を「国営」から「民間」に変更する法改正をした。アゼンプール氏によると今年中に開設したいという。
 
ニューヨークとロンドンの世界の2大石油取引所はドル建てだ。イランにユーロ建ての指標ができ、原油高でカネ余りのペルシャ湾岸産油国や投資家が活用して「ドル離れ」が進めばドルは下落する。関係者の間では、「オイルユーロ」への移行はドル暴落を招き、世界経済の覇権を握る米国の地位の弱体化につながるとの指摘が出ている。
 
アゼンプール氏は、国家歳入の6割以上を石油に依存するイランで石油省、商業省、鉱工業省の各次官を歴任した大物だ。
 同氏は取材に「石油の現物だけでなく、投資目的の先物なども扱う」と取引所が相応の規模になることを示唆した。取引通貨については「取引の当事者次第だ」と述べる一方、「中国が世界経済の最強国になれば人民元を使うだろう」と付け加えた。
 
イランの貿易は全体の45%がユーロ圏相手だが、現在の石油取引はすべてドル建てで、外貨準備も6割がドルだ。また、ペルシャ湾岸諸国は自国通貨のレートがドルに連動する制度を採用しているため、ドル下落は自国通貨の価値低下を意味する。
 核開発問題で米欧の非難を浴びるイランの取引所にどれほどの「顧客」がつくか、疑問視する向きも多い。
 
ただ、隣国イラクの旧フセイン政権は00年11月に石油取引をドルからユーロに転換した。国連の人道支援「石油と食料の交換」計画もユーロで実施された。米国は03年のイラク戦争後、石油取引をドルに戻した経過がある。
 
最近、湾岸諸国をはじめ主要新興国がドル中心の外貨準備構成を見直し、一部をユーロに移す方針を相次いで示唆している。
 こうした中、イランの石油取引所の開設は「米国に弓を引く行為にほかならない」(欧州在住エコノミスト)とされ、米国がイランへのいら立ちを強める一因になっている可能性はある。

  
これにより、米国のイラン攻撃は決定したも同然でしょう。
もっとも、米国のイラン攻撃は、この記事に記載されている事だけが理由ではありませんね。『枯渇がささやかれている石油を支配する』これこそが、21世紀前半の世界を支配する欠かせない要件ですよね。
 
米国はイスラエルと結託して、中東を大混乱に陥れ、最終的には中東の石油全てを支配することになるでしょう。
イラクで見られるように、ヘマばっかりやっている米国はイランでは更に苦戦するのでは……と、思われる方も多いかもしれませんが、米国は本当にイラクでつまずいているのでしょうか?
 
確かに、米軍は宗派間対立に手を焼いているようにも見える。
 だが、それほど外交や戦争が皮相的で単純なものならば、私でも評論家としてやっていけるでしょう(笑)。
 
米国がイラクでやっている事。それは、かつて欧米列強がアジアやアフリカ、そして中東での植民地支配政策で採用した、あの悪辣な統治手法そのものなのだ!。
 
「分裂させ支配する!」
 占領国の宗教的、民族的、経済的利害の対立を煽り、分裂や抗争をさせることで植民地統治の安定化を図る手法だ。
この分裂・分断作戦により、アフリカや中東の人たちが、現在もどれ程その後遺症に苦しんでいる事か……。
 

いずれにしても、米国にとってはイラク国民が何万人死のうが、知ったこっちゃないのだ。米国にとって最も恐れる事態は、イラクが平和になり米国軍隊が駐留する必要性が無くなることなのだ。
その視点で改めて米国のイラク政策を見渡せば、ほぼ順調にイラク戦争を遂行しているといえるでしょう。
 

ただ「イランを戦争に引きずり込むのに手間取っている」という意見には賛成したい。 恐らくは、イランの背後にいるロシアが、うまく助言を与えている可能性が高い。ロシアは、エリチン時代米国から手痛い仕打ちを受けたが、その過程で米国の巧妙な手口を学んだ。だから、イランは簡単には米国の挑発に乗ってこないだろう。
 

だが米国は、最終的にシーア派優位を演出し、イランに引き金を引かせる事に成功するでしょう…。
 米国の本当の戦争力は、イランとの開戦で明らかになるのです。
 

 

冷酷非情なる地政学ゲーム

 本当に日米安保は機能するのか?、実態は張り子の虎にすぎないのではないか?
 米軍は沖縄はもちろん、首都東京をチャイナミサイルから守ってくれるのか…。
 
米中戦争では、日米安保の真実が明らかになるでしょう。
 
米軍再編と称して、沖縄の負担を軽くするために協力しましょうと笑顔で語り、1兆円近い金を持ち去っておきながら…。 
米中戦争開戦で、沖縄にチャイナミサイルが落ちてくるときには、米軍基地はもぬけの殻だった…。 という話にならなければよいのですが(^^;)。
 
つまり米中戦争が勃発した時は、米軍の戦力はそのほとんどが日本国内には無く、グアムなどに引っ越しをしていた……というような事態になると思えてならないのですね~(^^;)。
 

その一方で、米軍は東京の横田基地などに米軍司令部中枢を持ってこようとしています。確かに地政学的には、より前線に近い拠点で指揮をするというのは理解できます。
 
しかし、現在戦っているイラクでは、無人偵察機の操縦さえも、イラク国内で運用しているのではなく、米国内のペンタゴンでやっているのです。
 今や前線に近いところに作戦指揮所を……という発想は、博物館入りなのですね。
 

東京に米軍司令部中枢を持ってこようとしている第一の理由は、チャイナミサイルで東京を壊滅させるという思惑があると思えてなりません。
確かに米中戦争は、日本の全面的な協力無くしては戦いを有利に進めることは出来ません。
 
その上で、戦後の対応を考えた場合、米国が日本を引き続き属国として支配するためには、現在の日本の国力を一定レベルでそぎ落としておく必要があると考えているのではないでしょうか。
 
日本の首都東京に米軍司令部中枢を置く (と見せかける?)理由は、
 ・地政学的に極東アジアの支配を維持するために、日本の国力を一定レベル削ぐ。
 ・司令部中枢が日本にあるように見せかけ、米国本土攻撃を軽減させる。
 
支配するためには同盟国さえ破壊する。このように、地政学的な戦争ゲームというのは、かくのごとく冷酷なゲームであるという事が判りますよね。
 
中国のチベット独立や複数国への分割解体、そして日本の国力低下……。
 斜陽の帝国である米国にとっては、10億人を超える新たなドル市場を手に入れる事になり、辛うじて覇権の延命につながるでしょう。
 
近隣諸国や諸外国にとっても、核保有大国中国の崩壊は地政学的に自国の安泰を意味しますので、口先外交ではともかく本音では大歓迎されるでしょう。 
これらは、誇大妄想による私の被害者意識がそうさせる……。という事であってくれればよいのですが。
 

 

米国の戦争スタイル

 米軍は、ハワイ真珠湾に向けて航行する日本の連合艦隊の動向は逐一把握していました。また、9月11日同時多発テロの日だけ、米空軍の「緊急防衛態勢」は「解除」になっていたし、ペンタゴンへの航空機突入に際しても、驚くことにスクランプル発進さえ無く、ホワイトハウスに次ぐ要衝が、埼玉県にある我が家の上空と同じぐらい無防備な状況におかたれという訳です。
 
いずれ「9・11同時多発テロ」は、ベトナム戦争介入のきっかけを作った「トンキン湾事件」と同じように、米国政府の自作自演である事が明らかにされるでしょうが、それにしても目的を達成するためならば、自国民を何千人でも平然と敵に殺させ、そしてその企図を何十年にもわたって、ほぼ封殺し隠蔽し続ける事が可能な米国政権を支配している“暗黒支配階層”を甘く見てはいけませんね。
 
日本の連合艦隊をまんまと真珠湾におびき出し、9・11同時多発テロもまた敵側が先に引き金を引いたかのように見せかける……。 
敵側を執拗に追いつめ、先に引き金を引かせる!。
 そしてマスメディアを動員し、リメンバー ○○○○と連呼し、国論を束ねる……。
 これが米国の戦争開始スタイル!。
 
誰ですか “マッチポンプ ” なんて揶揄しているのは~(^^;)。
 
米国は大戦後61年のうち、実に49年間どこかの国や組織と戦争してましたが、そのほとんど全ては自作自演の大いなるマッチポンプだった。
 
それにしても、米国はなぜこれほど戦争経済を遂行しなければならないのか?。
 それは、日本の公共事業といえば、土木や建設工事を思い浮かべるが、米国の公共事業は戦争だといえば、なるほどと感ずるはずだ。
 
やがて始まるイラン戦でも、イスラエルと結託して執拗にイランを挑発し追いつめる。 そしてついにはイランに先に引き金を引かせる。あるいは「トンキン湾事件」のようにイラン軍が米軍兵士に発砲したと事件をでっち上げるはずだ。
 
対中国戦でも、バブル崩壊の大混乱を利用して中国内の反政府勢力を支援し農民暴動を誘発させ、また台湾に“本土が混乱している今がチャンスですよ(^o^)”と独立への動きを促し、中国に先に引き金を引かせる……。
 

米国のマスメディアは、米国政府直結の政治機関であることに警戒しなければなりません。 マスメディアのスポンサーは、軍産複合体であり石油メジャーであるのです。
そしてなによりも、世界情勢の情報は、そのほとんどが米国のフィルターにかけられ、私達の元へ届けられるという事実を忘れてはなりません。

 

米国によるイランと中共への武力侵攻は、おそらく作戦計画通りに遂行されるでしょう。
 •私達は、米国発の巧妙に誘導されていく戦争プロパガンダ。つまり主要マスメディアを動員しての世界世論を特定の方向へ誘導し、正義がねつ造されていく過程に注目しなければなりません。


 •私達は、米国政府・マスメディア・民間広告会社が結託し、周到に操作された情報を大量にかつ長期間流し続けることで、私達の脳が容易に洗脳されていく可能性に警戒しなければなりません。


 •私達は、イランそして中共が、最終的に“悪魔”に仕立て上げられていく様を、つぶさに見届ける必要があります。


 •私達は、白人による植民帝国主義が、沈潜しより巧妙になって現在も生きながらえている事実を、自身の目で目撃する必要があります。


 •私達は、戦争というものは、予期せぬ感情的なぶつかり合いなどでなく、国家により周到に仕組まれるのだという事実を目の当たりにしなければなりません。
 

米国大統領はイランと中共への武力攻撃に際し、次のメッセージを発するでしょう。
 
「イランは核兵器を開発し、世界秩序を破壊しようとしている邪悪な独裁国家だ。」
 
共産党政権は中共民衆を抑圧し、自由と言論を彼らの意志に反し封殺している。これは寛容の限界を超えているものだ。」
 
「東アジアにおける(民主主義への)希求の炎を消してはならない。中共民衆の解放のために戦うものは、キリストによって讃えられ魂の救済を得るだろう。」
 
「我々同盟国の大義は神聖なものであり、米国は継続して自由と平和のために戦うのだ。」
 
アハマディネジャドが中東の暴君である限り、我々はその野蛮きわまる行為に終止符を打つ権利を有するのだ。」
 
「中台間の紛争の可能性を取り除くべく、米国は諸問題を平穏かつ平和的に解決するために、国務大臣を派遣し協議する用意がある。」
 
「世界の繁栄は平和の中にこそある。米国は戦争を望んでいないのだ。」
 
「米国はイランや中共の挑発に忍耐強く対応したが、敵が先に引き金を引いたのだ…。」
 

 

米国はイラン・中共に勝利するも凋落は避けられない

 1944年米国のブレトン・ウッズに44カ国が集まり「ブレトン・ウッズ協定」に調印し、現在も続けられているドルを基軸通貨とする為替システムが動き始めたのです。当初はドルを持つことで国が豊かになると考え、各国競ってドルを貯め込んだものです。
 
だが目指したその豊かさは、周到に仕組まれた幻影にすぎなかった。
ドルを貯め込んでも、米国だけが豊かになるだけでした……。
メッキの剥げた今となっては、多くの国が「ドルの横暴」に辟易しているのです。
 
「米国人の借金の肩代わりを続けるのはゴメンだ!」
 この真っ当な考え方がヨーロッパで共有されたから、ユーロが誕生したとも言えるでしょう。EUに加盟する国は年ごとに着実に増え、現時点で25カ国となっています。 そして更に欧州委員会は来年1月ルーマニアとブルガリアを、EUに加盟させることを承認しています。
 
EU域内での新加盟国論議はこれからも続くが、これはヨーロッパの指導者の強い要請でもある。 ヨーロッパの多くの指導者は、すでに米国の凋落後を見据えていることに他ならない。
 
もちろん、EU拡大に伴い米国は内心穏やかではない!。
 単一通貨ユーロ市場が拡大すればするほど、ドルのマーケットは疎外され縮小していくことになり、結果としてドルはユーロに対して、長いスパンでは確実に下落していく事になります。 現実的に、長期スパンでは為替はその通りに動いていますよね。
 
米国は、ドル暴落の悪夢にうなされながら、ジワリジワリと首を絞め上げられていくことになる。
 

一方米国は軍事力により世界覇権を維持しようとしており、最終的にはイスラエルと共に、イランを黙らせ中東の石油をドル支配圏に留め、長年の夢であった中国支配に向け東アジアへと武力を結集させるでしょう。
 
米国が覇権を維持するための選択肢は、これしか残されていないのです。
 米国政府は強い決意を持って、この大いなる冒険に取り組むでしょう。
そして、多大な犠牲を払いながらも、米国お得意の騙しのテクニックで、軍事侵攻を正当化し、必ずや13億の民を新たなるドル市場に置き換えるはずだ。
 

しかし、ヨーロッパ全土に匹敵する13億もの巨大なドルマーケットを新たに手に入れても、米国の覇権は長くは続かないでしょう……。
何故なら、米国の強大なる軍事力を持ってしても 「戦争は国力を疲弊させる」 という戦争のセオリーに逆らうことは出来ない。米国の凋落を世界が公然と認識する時。その時こそドルが基軸通貨の地位を失う時でもある!。
 
覇権を失った時こそ、米国人は基軸通貨という特別待遇の付かないドルを目の前に、自分たちの本当の実力がどれ程チッポケなものであったか知る事になるだろう。
 
そして、その時こそ60有余年の時を経て、世界は「ドルの首輪」から解き放たれることになるのだ。

中共バブルの行方

中共経済が過熱しています。
新聞や雑誌には景気のよい中国経済関連情報が満載ですね。

1月5日のYAHOO!NEWSにも、羨ましい記事が掲載されていました。
概略次の通りです。

中国豪邸ラッシュ “貧富の格差”拡大象徴
中国では資産総額百万ドルi日本円約一億四百万円)を超える裕福層が三十万人を超えた。北京、上海、広東省などで高級住宅フ需要はこれからも拡大する見通しで、最高価格は六十億円にも上る。豪邸建設は、2006年までに北京だけでも五百万元以上の住宅が五千戸から七千戸建設されるという。

 

築20年の中古住宅を30年ローンを組んでやっとの思いで購入した私の住宅事情とはえらい違いですね(^^;)。

国内で私たちが得る中共情報は、ほとんどがイケイケムードのヒートアップ状態ですが、一方で“中共バブルはいつ崩壊するか?”という論評も雑誌などを中心に賑やかになってまいりました。

今振り返れば、米国のITバブルの時もそうでしたが、全盛時はその勢いが永遠に続くかのような錯覚を覚えるものです。
中共の経済発展は引き続き継続され、近い将来米国を抜いて世界一の規模になるに違いないという予測さえ出始めています。

中共経済は近い将来において、本当に世界のトップに躍り出るのでしょうか?
私もここ一年ほど夜も寝ないで昼寝しながら、中共経済や世界のバブルを検証して参りましたが、その結果ついにひとつの重大な法則を発見したのです(^o^)。
経済専門家でさえも思いつかなかった画期的な法則をですよ。


 その法則とは『過去のすべてのバブルは崩壊した』というものです。
世界でこの法則を最初に発見したのは私ということになりますか~。(笑)


中共の現在の固定相場制(現在1ドル約8.3元)はアンフェアで許し難いものであるし、デフレを世界に向け垂れ流しているという批判がますます強くなっています。
中共政権内に人民元の切り上げという変動相場制への移行に大きな対立があると言われており、政権内の利権争いに目を奪われ、舵取りを誤ればホソフトランディングどころか、ただちにバブル崩壊という憂き目にあってしまうおそれがありますね。

人民元の切り上げや、ドル相場の崩壊、その他世界規模での経済的激変がなければ、2008年の北京オリンピック、または2010年の上海万国博覧会までは持つのではという意見も多いですが、米国ドルの信用失墜と凋落のカウントダウンも始まったと予想される中、そんなに長い期間世界が平和でいられるなんて信じられませんね(笑)。

中共政権内では、もちろんソフトランディングへの模索が行われているようです。
中共の官僚が頻繁に日本の経済担当部署を訪れ、ソフトランディングに向け指南を仰ぎ、経済運営を研究しているという話は耳にしますので、もしも“間違って”中共バブルをソフトランディングさせたとなれば、これは間違いなく世界初の画期的出来事ですから、世界を驚嘆させる事になるでしょう。

しかしながら、中共経済をここまでヒートアップさせてしまい、制御不能レベルまで増長させてしまったのは、ほかならぬ中共支配階層の一部の人たちが、自身の懐を豊かにすることばかりに目を奪われて、経済改革のみを先行させ同時進行させねばならなかった政治改革を、手つかずのまま放置してきた歴代指導者の無策と怠慢が、よりその歪みを増長させている事は間違いありません。

そして、残念なことに札束の乱舞に浮かれきった中共指導部には、中共バブルをいつまで存続させるか、或いはいつ崩壊させるかの決定権は、中共には無く米国であるという事をほとんど認識していない。


1月25日読売新聞朝刊で『広東省5万人暴動はなぜ起きた?』というタイトルで、昨年末12月25日中共で発生した大規模な暴動発生についての記事を目にしました。

読売新聞記事は長文なので詳細は割愛しますが、事件の中で『民工』という言葉が目を引きました。
中共では出稼ぎ労働者を民工と呼ぶらしいですが、なにやら差別的なにおいを感じます。

北京や上海など大都市や、中共各地の都市の繁栄を底辺で支えているのが民工であり、その多くが内陸部に住む農村出身であるといわれています。
彼らは月給800元(約1怩S00円)程度の低賃金で働かされ、残業も含めて12時間労働などというひどい労働環境で働いているという。
そして多くは、いつ首を切られるかもわからない不安定な雇用であり、社会保障制度も適用されない弱い立場だ。
中共国内の民工総数は一億五千万人程度とされ、日本の総人口をているが、給料が出るだけでもまだ幸せなのかもしれません。
推計によれば、現在の都市失業者や農村の生活困窮者は二億人前後に上るといいますから。

中共国内を旅行すれば、失業者や一時帰休の労働者が町にあふれているのを目にすることになるし、子供の物乞いもいたるところで目にするといいます。
私自身はまだ中共に旅行した事がないので雑誌報道などにそう書いてあるという話ですが……。


また、2月8日読売新聞朝刊では『失地農民の悲劇』というタイトルで次のような記事が書かれていました。 

失地農民の悲劇
中国のルポルタージュ文学の月刊誌「報告文学」は、水力発電所建設のにために、開発業者と結託した地元当局に耕地を奪われた悲惨な実態を告発するルポ「土地を失った人々」を掲載した。主人公は全国四千万人以上とされる「失地農民」の一部にすぎないが、彼らを襲った事件は“土地戦争”の深刻さを物語っている。
2003年4月22日朝8時。県の国土局や水利局などの役人、派出所警官ら約20人がやってきて突然耕地の測量を始めた。驚いて「うちの土地で何してるの」と詰め寄る村女性に、役人は「おまえの土地だと?お前も土地も国のものだ。水力発電所を作るので収用されたんだよ」と笑う。
「公務を妨害するならおまえを捕まえてやる」とののしるや否や4、5人の警官が取り囲み、いきなり女性に手錠をかけた。
その後、村民200人と役人らとの間で激しい衝突が発生。包囲された…。


中共国内での行政当局と一般市民との衝突の事例を二点ほど紹介させていただきました。いずれにしても、成長著しい中共の経済発展から取り残された民工や失業者、そして失地農民などなどの豊かさから見放された貧困層は、行政当局や政府に対し不満を募らせています。
2004年で50人以上が参加した暴動やストライキは50万件を越えたというのですから驚きです。
中共で“お上”に楯突くとどのような末路になるか(特に動乱分子のリーダーは)…。
市民自身がそれをよく知っている上でのこの数字には驚きを隠せませんね。

見上げるような高層ビルが林立する上海などの、眩しいほどのイルミネーションが燦然と降り注ぐ繁栄の背後で、病根ともいえる汚職腐敗の横行、“鉄の茶碗”と呼ばれる毛沢東が唱えた社会計画理念の産物である国有企業の改革の放置による破綻、富めるもののみが益々富むという拡大するばかりの貧富の格差、毛沢東時代からの密告制度という悪弊の継続による人心の荒廃、市民の社会的モラルの喪失、宗法組織の復興と更なる活性化、疎外された流民などから生まれる黒社会の勢力拡張と行政当局との結託、一般市民への麻薬汚染の急拡大、不当な少数民族への抑圧と支配強化などなど…。

体内に巣くう悪性の“ガン”が確実に巨竜中共の体内を蝕みはじめている。
職を求めて彷徨する“疎外された民衆”は、今は黙々と内なる憤りを募らせているだけだが、近い将来において衝動的な抗議活動が“民衆の蜂起”という起爆剤への点火につながる可能性が大きいと思えてなりません。
その時こそ、その憤激のうねりは一気に全国規模へと伝播し、もう誰にも止められない内なる反乱の本流となり、破壊的に巨竜の生命を奪いにいくに違いない。

近年すさまじいスピードで桁違いの富を蓄積したにわか成金は、国有資産や資源配分を支配・管理するごく一部の“権力を持つ”人たちと、それに連なる人間関係のネットワークに絡む人たちが多いのは疑いようのない事実です。

共産党のみが支配する中共においては、国家を管理運営する官僚の公権力は絶対です。
中共政府の役人は法律の上にあるといっても過言ではなく、支配の及ぶ対象はほとんど全てと言っていい。
表面上対外開放が為されたとはいえ、中共社会はいまだ人治の法制社会のただ中にあると断言できるでしょう。
確かに法律は順次追加制定・施行されてはいますが、問題は守る意志があるかどうかだ……。

真の市場化とは法制に基づいた経済活動であり、信用付与による経済取引を意味する。
中共では法制も信用もまるでないという現実を改めて指摘しなければならないでしょう。
例えば、政府と中共共産党の権威を守るため、日常的にあらゆる統計データは都合のいいように捏造され、改ざんされている。

信じがたい話ですが、国有企業の98パーセントが財務情報の一部あるいは全部を偽っているというデータもあります。
政府は諸外国に対してはもちろんの事、自国民をも平然とだましていることになりますが、統計データなどの捏造は毛沢東時代から続いており一党独裁体制ゆえの病根は深い。

今も続く、中共の二十年以上に及ぶ経済改革の流れを最も的確に表現する言葉は『権力の市場化』であり、またそれは『国有資産の奪い合い』という言葉が相応しい“略奪行為”と置き換えることができるでしょう。
そのいびつで偏重した改革開放政策の結果、許認可など強大な権力を持つ者などが富を独占し、中共社会の実に80パーセント以上もの富を、ごく一部の支配階層が手中に収めてしまったのです。

金に置き換えることのできる権力や職務上の地位と血縁やコネを持つ者は益々豊かになり、一方で“金づる”を持たない一般市民や農民などが、経済改革のスタート地点からあまりにも不平等な形での富の奪い合いという大競争時代が幕を開けたのです。

事実上すでに、富を共有し分け合うという共産主義体制は崩壊しており、権威主義体制だけが残った。
かつて中共共産党を支えた愛国心は、改革開放により解き放たれた私欲にとって代わった。
拝金主義にまみれた、この欲深い権威や権力を手中に収めているものの為す汚職・腐敗の深刻化とともに、貧富の格差は拡大する一方であり、一時帰休労働者(実質的失業者)や失業者、失地農民は困窮するばかりで、将来に対する不安と憤りは増すばかりです。

驚くことに、労働者の楽園であるはずの共産主義国家でありながら、労働組合など労働者の苦情を吸い上げるシステムが存在しないので、膨大な人口を抱える中共社会では、一度失業してしまうと再就職はかなりの困難が伴う。
彼らは同じ就業体制には戻れないし、勃興する新産業へ対応するノウハウも技術も持たない。
このような再就職不能の国民は全国で千万人単位になるとみられます。
社会保障制度が無きに等しい中共では、これは深刻な社会問題に発展する恐れを内包しています。

莫大な富を手に入れた権力やコネを持つ一部の支配階層は、改革開放から20年以上の歳月を経て“収入源”を次の世代へと独占的に継承させていく。
一方で仕事が持てず自立の道を絶たれて自暴自棄に陥る数え切れない流民などの鬱積と苛立ち。
こうした自活する手段を将来的にも絶たれた多くの国民の抱く不満は、やがて地下経済の活性化という流れに飲み込まれ、非人間的な反逆心を伴い黒社会へと身を投じていく。

歴代王朝が民衆統治の主軸としてきた“民衆を貧しく何も持たせない状態にしておく”という伝統的な古い手は、インターネットなどの世界的規模の情報交流が可能な現在では使えない。
中共共産党の宗教弾圧にみられるように、警察国家的抑圧は一時的には成功を収めたかに見えるが、活動を地下に深沈させるだけであり、いずれより強い反発を生むだけで、難題の解決を先送りしただけにすぎない。
ひとつハッキリしているのは、この手の難題は先送りすればするほど解決に手間取るということだ。

話は少し逸れるが、中共では毛沢東の肖像がすべての紙幣に印刷されている。
毛沢東といえば、あのおぞましい“恐怖の文化大革命”を引き起こした張本人だ。
文化大革命とは“自国民によるホロコースト”ともよべるほどの残忍な殺戮が行われ、死者一千万人被害者一億人といわれる被害をもたらすなど、中共国内に大混乱を引き起こした。
当時を生き延びた民衆にあっては、今でも修復しがたいほどのトラウマを引きずっている。

また、毛沢東は異常なまでに権力欲が強かったことが知られているが、“権威と恐怖”を民衆統治の基盤としたために、平時においても大規模な粛正を行っていたことなどにより、結果として一億人近くの民衆を殺害したという。

一方、中共共産党が秘匿に徹しているため、文化大革命ほど知られていないが、毛沢東による『大躍進政策』も、中共民衆に多大な苦難と甚大な被害をもたらした。
大躍進という失政による餓死者は四年間で三千八百万人を越えた。末期には人々は食べるものを求め、埋めた人間の死体を掘り起こして食べたという。
中国共産党は、現在までこのような事実を認めようともしない。
これらの真実は、『ワイルド・スワン(上下巻)』(著者ユン・チアン/講談社)に詳しく書かれている。
長大な文章だが、夏の夜背筋を寒くしてみたい方にはお勧めの一冊だ(^^;)。

「スマトラ沖大地震」 お見舞い申し上げます

スマトラ沖大地震と津波などに被災された方々のお見舞い申し上げます 。


インドネシア北西部のスマトラ沖で26日午前8時(日本時間同10時)に発生した、マグニチュード8.9の強い地震と、その後の津波による被害の実態が時間を追う毎に、拡大と一途を辿っています。
 テレビ報道などでは、阪神・淡路大地震の1,600倍のエネルギーを持った地震であったという見解を述べていました。
 史上希にみる巨大地震と大津波が発生したようです。
 被害の実態は、日を追う毎に拡大しており、29日現在で死者6万人に達しようかという報道が為されています。
 被害地域のまだかなりの場所で、連絡が不通との情報もあり、更なる被害拡大が懸念されます。
 
そして、甚大な被害に追い打ちをかけるように、飲み水などの汚染で伝染病の発生が強く懸念されているようです。
 
あまりの悲惨な自然災害に言葉を失ってしまいます……。
 
例えばプーケット島などは、私の妻と「いつかは行ってみたい島だね」などと話題に上った地域でした。
 南海の海岸沿いのコテージで、時の経つのも忘れてノンビリしたいななどと話をしました。
 
懸念されるのは、それら南海のリゾートとしてのイメージが、この度の津波によりかなりイメージダウンしてしまったという事ですね。
 
自然は豊かでも決して経済的には十分に恵まれていない地域です。
 リゾート観光で生活を支えていた方々のこれからの生活の糧をどうするのか、強く心配されます。
 
被災された方々の一刻も早くの、平穏な生活が戻りますことをお祈り致します。m(_ _)m

命より石炭! 中共炭鉱事故死者5200人を超える

中共で大規模な炭鉱事故が相次いでいるとう。
東京新聞記事によりますと、概略次のようになります。 

11月までの炭鉱事故死者は5200人余りに達した。
急成長によるエネルギー不足で、石炭価格が上昇。炭鉱会社は金のかかる安全対策を軽視して増産を急いでいる背景がある。

10月には河南省大平炭坑で、今年最大規模の148人が死亡する炭鉱事故が発生した。
事故の一週間前から坑内で火災が発生していたのにもかかわらず、生産を続けていたことが判り人命軽視の経営責任が厳しく問われている。
労働者への死亡事故への賠償は一人一万元(約13万円)程度だが、対する安全設備の導入には数千万元のコストがかかるため、死亡事故覚悟で増産を続ける鉱山が多いという。

また、全国へ地上げ屋集団を送り込んでいる温州市からは石炭の投機集団も現れ、山西省ではすでに産出量の五分の一が投機集団に握られたという。
投機筋が経営する炭鉱は短期の利益出しを狙って安全対策はおざなりになっている。

 

この東京新聞の記事を見たときに『命より石炭』というタイトルは過激だなと思いました(^^;)。
しかし、読み進むにつれて国情の違いに驚くと共に、さもありなんと感じた次第です。

私の子供の頃にも、時折日本の炭鉱事故の模様がテレビなどで流れ、アナウンサーは“生存者がいるかどうか絶望的……。”と語り、救出を見守る家族が悲しみにくれる姿などが放映されて、子供心にもその悲しい出来事が胸に刺さりました。

子供の頃の出来事なので、確かな記憶はありませんが、日本で炭坑での採掘が盛んであった頃でも炭鉱事故による年間死者は数人から数十人程度ではなかったでしょうか。

それが中共では11月の時点で、すでに5200人余りの死者ですから驚きです。
暗黒の坑内に取り残された方々の、不幸な死にも思いを致さなければなりませんが、日本でもよく言われました“人災ではないか ”という観点で、中共の炭鉱事故も厳しく問われなければならないでしょう。

中共のエネルギー事情は、急激な経済成長を背景に石油・石炭の供給不足が顕在化しています。
中共の電力は70%以上を石炭による火力発電に頼っていますし、庶民生活でのエネルギー利用は今でも石炭が中心です。
“黄砂”と同じように偏西風に乗って石炭燃焼ガスが日本に降りかかるのですから、これは他人事ではないですよね。

中共はかつて、国内産の石油で国内需要をほぼまかなっていましたが、近年輸入依存度が急上昇し、93年には0.4%にすぎませんでしたが、今年は60%を超えるといいます。

西アフリカのギニア湾沖で新たな油田の開発や生産ブームに沸いています。
海底油田の開発技術の向上に伴い、ギニア湾沖合にも有望な海底油田があることがわかり、欧米の大手石油資本によるプロジェクトが目白押しのようです。
特に有望な油層を抱えるアンゴラコンゴ共和国、ガボンなどに対し米国と中共が積極的に資源外交を展開しているようです。

今年二月、胡錦涛国家主席がアフリカ諸国を歴訪しましたが、中共の石油外交の展開であったという事は間違いありません。
一方中共政府は、今年10月米国と核疑惑で敵対しているイランと、石油や天然ガスなど最高1000億ドルの大型商談をまとめました。

中共は成長する経済に合わせて、逼迫するエネルギー確保が緊急の国家政策です。
日本とは東シナ海での中共の一方的なガス田開発で敵対していますが、西アフリカなどで見られるように米国の国家エネルギー政策を次第に侵すような流れに進んでおり、すでに米国からも「米国のエネルギー確保と経済の安定に対する恒久的な脅威」と国防総省からみなされるようになりました。

米政府は、イラク問題で国連安全保障理事会の常任理事国である中共の協力を必要としており、ただちに中共を巻き返す動きは少ないでしょうが、いずれは米国とエネルギー問題で激突することが予想されます。

2004年『世界ガッカリ大賞』決まる!!

2004年『世界ガッカリ大賞』は、再選を果たされたブッシュ大統領に決まりました。
 誠に慶賀な出来事であり、大統領には心からご祝福申し上げます(^o^)。
 
賞状の文面は次の通りです。

ブッシュ大統領殿
 あなたは前回の大統領選同様に民主党との激戦の末、見事二期目の大統領として再選されました。
 “米国の歴史上、戦時に選挙で敗れた大統領は一人もいない”という法則を見事に国民の前で証明したのです。
 
しかし、大統領がここに至るまでの国際世論は、必ずしも順風ではありませんでした。
 ヨーロッパでは実に7割以上が、そして世界レベルでは世界人口の6割あまりの人々が、ブッシュ落選を願っていたのです。
 にもかかわらず、あなたは宗教心に裏打ちされた確信を持って、聴衆の前で泰然と自説を展開し、カウボーイ的なリーダーシップを貫き、米国民をあと四年間ホワイトハウスを任せてもよいと思わせる方向に導きました。
 
あなたは、米国の正義と実行力とを世界に向けて誇示しながら、ついに敬虔で善良なる米国民の心をも捉えることに成功したのです。
 
そもそも大統領執務室にいるあなたは、選挙で『国民』に選ばれた大統領ではなく、不正工作されたフロリダ州の『選挙人団』により選出された、まやかしの大統領であるにも関わらず、米国民を催眠術にかけたかのように、手なずけることに成功したという訳です。
 
米国にだけ都合のよい“ダブルスタンダードの自由と正義”を高らかに歌い上げながらの再選は、顔が引きつるほど見事でした。
 
しかし、米国内での大統領就任式典に向けての賞賛と祝福ムードが信じられないほど、世界各地からブッシュ再選に対する冷めた意見や落胆の声が数多く伝えられました。
 
ブッシュ大統領再選』という結末は、世界の78億6507万6922人もの人々を失望と落胆の縁に追い込んだのです。
 これは70年前ヒトラーがナチ党政党旗たる鉤十字旗をドイツ国旗と定め、独裁色を格段に強めた事による、ヨーロッパを中心とした6億3045万7558人を恐怖と共に落胆させた時を大幅に上回る、世紀の偉業を為し得たと言えましょう。
 
ここにその偉大な新記録に対し、2004年『世界ガッカリ大賞』を授与いたします。
副賞として、米国がイラクに爆弾を落とさなければ死なずに済んだであろう、イラク国民死者10万余名の名前を刻んだ墓標を贈呈致します。

協賛 マイケル・ムーア監督
マイケル・ムーア監督コメント
「この2004年世界ガッカリ大賞はボクがもらいたかったが、ブッシュなら譲ってやってもよい。ガハハッ」