東アジアに戦火再び

平和とは戦間期の別名に過ぎない。常に備えよ日本!

命より石炭! 中共炭鉱事故死者5200人を超える

中共で大規模な炭鉱事故が相次いでいるとう。
東京新聞記事によりますと、概略次のようになります。 

11月までの炭鉱事故死者は5200人余りに達した。
急成長によるエネルギー不足で、石炭価格が上昇。炭鉱会社は金のかかる安全対策を軽視して増産を急いでいる背景がある。

10月には河南省大平炭坑で、今年最大規模の148人が死亡する炭鉱事故が発生した。
事故の一週間前から坑内で火災が発生していたのにもかかわらず、生産を続けていたことが判り人命軽視の経営責任が厳しく問われている。
労働者への死亡事故への賠償は一人一万元(約13万円)程度だが、対する安全設備の導入には数千万元のコストがかかるため、死亡事故覚悟で増産を続ける鉱山が多いという。

また、全国へ地上げ屋集団を送り込んでいる温州市からは石炭の投機集団も現れ、山西省ではすでに産出量の五分の一が投機集団に握られたという。
投機筋が経営する炭鉱は短期の利益出しを狙って安全対策はおざなりになっている。

 

この東京新聞の記事を見たときに『命より石炭』というタイトルは過激だなと思いました(^^;)。
しかし、読み進むにつれて国情の違いに驚くと共に、さもありなんと感じた次第です。

私の子供の頃にも、時折日本の炭鉱事故の模様がテレビなどで流れ、アナウンサーは“生存者がいるかどうか絶望的……。”と語り、救出を見守る家族が悲しみにくれる姿などが放映されて、子供心にもその悲しい出来事が胸に刺さりました。

子供の頃の出来事なので、確かな記憶はありませんが、日本で炭坑での採掘が盛んであった頃でも炭鉱事故による年間死者は数人から数十人程度ではなかったでしょうか。

それが中共では11月の時点で、すでに5200人余りの死者ですから驚きです。
暗黒の坑内に取り残された方々の、不幸な死にも思いを致さなければなりませんが、日本でもよく言われました“人災ではないか ”という観点で、中共の炭鉱事故も厳しく問われなければならないでしょう。

中共のエネルギー事情は、急激な経済成長を背景に石油・石炭の供給不足が顕在化しています。
中共の電力は70%以上を石炭による火力発電に頼っていますし、庶民生活でのエネルギー利用は今でも石炭が中心です。
“黄砂”と同じように偏西風に乗って石炭燃焼ガスが日本に降りかかるのですから、これは他人事ではないですよね。

中共はかつて、国内産の石油で国内需要をほぼまかなっていましたが、近年輸入依存度が急上昇し、93年には0.4%にすぎませんでしたが、今年は60%を超えるといいます。

西アフリカのギニア湾沖で新たな油田の開発や生産ブームに沸いています。
海底油田の開発技術の向上に伴い、ギニア湾沖合にも有望な海底油田があることがわかり、欧米の大手石油資本によるプロジェクトが目白押しのようです。
特に有望な油層を抱えるアンゴラコンゴ共和国、ガボンなどに対し米国と中共が積極的に資源外交を展開しているようです。

今年二月、胡錦涛国家主席がアフリカ諸国を歴訪しましたが、中共の石油外交の展開であったという事は間違いありません。
一方中共政府は、今年10月米国と核疑惑で敵対しているイランと、石油や天然ガスなど最高1000億ドルの大型商談をまとめました。

中共は成長する経済に合わせて、逼迫するエネルギー確保が緊急の国家政策です。
日本とは東シナ海での中共の一方的なガス田開発で敵対していますが、西アフリカなどで見られるように米国の国家エネルギー政策を次第に侵すような流れに進んでおり、すでに米国からも「米国のエネルギー確保と経済の安定に対する恒久的な脅威」と国防総省からみなされるようになりました。

米政府は、イラク問題で国連安全保障理事会の常任理事国である中共の協力を必要としており、ただちに中共を巻き返す動きは少ないでしょうが、いずれは米国とエネルギー問題で激突することが予想されます。